お知らせ第136回学長記者会見

第136回学長記者会見

日時
2017-05-29
場所
大分県庁県政記者室
第136回学長記者会見

(事項1)大分大学総括理事の設置について

 平成26年2月12日に中央教育審議会大学分科会による『「大学のガバナンス改革について」審議まとめ』が出され,これに基づき,国立大学法人大分大学では,平成27年度以降,学長の任期及び選考方法並びに学部長等の選考について順次見直しを行ってきました。
 この度,このガバナンス改革の一環として,学長を総括的に補佐する「総括理事」を設置し,学長が指名する理事をもって充てることとして学長補佐体制の強化を図ります。
 「総括理事」は平成29年6月1日付けで設置し,大橋京一(おおはし きょういち)理事を指名します。

 「総括理事」の役割は,学長の職務を代行し,又は理事間の業務の調整を行うことにより,法人の運営に関し学長を総括的に補佐します。
 既に報道のとおり,北野正剛学長は,本年4月に日本とロシア政府が主導する日露経済交流推進事業の一環として,日本の最先端の内視鏡技術を伝えるため訪露し,現地で実技指導を行いました。また,5月中旬には,同様に医療支援を実施するためサウジアラビアを訪問するなど大学交流,医療協力の進展のため国際的に活躍をしています。
 このような状況の中,学長が不在であっても円滑に法人運営が行われ,また対外的に法人の業務を遂行できる権限をもつ総括理事を設置することで,学長補佐体制の強化を図ります。

 【略歴】
  平成17年 2月 大分大学 医学部 臨床薬理学講座教授
  平成24年 4月 大分大学 医学部長
  平成25年10月 大分大学 理事・副学長
  平成29年 6月 大分大学 統括理事・理事・副学長

(事項2)大分県と連携し学生の県内定着をアシスト 「大分県の産業における工学技術の応用事例」開催

 本学理工学部では,大分県と連携し,学生の県内定着のための新たな施策として,県内企業の協力を得て,大学院工学研究科及び学部学生を対象とした講義を開催します。

 大分県との連携の下,県内企業が有する技術力をはじめ,業務を行う上で必要な知識や技術・技能等について,県内企業の代表者,技術者等が直接学生に説明する形のこのような講義は初めての試みです。
 講義は2回予定されており,5月24日(水)に1回目の講義を実施しました。
 1回目の講義では,大学院工学研究科1年生の「先端工学特別講義」の中で「大分県の産業における工学技術の応用事例」と題して,大分県内の産業を支え,高い技術力を持つモノづくり企業である,大分デバイステクノロジー株式会社,株式会社佐伯建設,ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング株式会社の代表者がそれぞれ講演を行いました。講演では,各企業の高い技術力によるモノづくりの素晴らしさ等について熱く語られ,学生はいつも以上に熱心に講師の話に聞き入り,講義終了後には,自ら積極的に講師に質問する姿がみられました。
 5月31日(水)の2回目の講義では,株式会社デンケン,株式会社戸高鉱業社,大分キヤノン株式会社各社の講演を予定しています。1回目同様,実際に工学技術を利用して事業を行っている企業の代表者が,生の声で「工学技術」「モノづくりの面白さ」「モノづくりの素晴らしさ」を伝えることにより,大学で工学技術を学ぶ意義を感じることを学生に期待しています。

 県内企業の協力を得て,各企業の人材募集という観点からではなく,大分県内に学生を定着させるために実施するこのような取組は初めてあり,講義を通して,高い技術力を持つ多くの素晴らしい企業が大分県にもあると知ることで,学生が県内就職を考えるための一助とします。

■開催日時:平成29年5月31日(水) 14:50~16:20
■開催場所:大分大学教養教育棟第2大講義室(旦野原キャンパス)
※第1回目は5月24日に実施済

(事項3)国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)と独立行政法人国際協力機構(JICA)の
    共同実施による平成29~34年度「地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)」
    において本学申請課題が採択

 国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下AMED)と独立行政法人国際協力機構(以下JICA)が共同で実施する平成29年度「地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)『医療分野国際科学技術共同研究開発推進事業』」に本学医学部微生物学講座 西園 晃(にしぞの あきら)教授を研究開発代表者として申請した課題が採択されました。 本課題は,日本とフィリピンの医学と獣医学の専門家が協力して,フィリピン国内から不治の感染症である狂犬病の撲滅を目指す取り組みで,総事業費4億8千万円(2億2千万ペソ)の支援で今後5年間事業を進めるものです。
 事業では,我が国で開発された新たな動物の狂犬病診断法の有用性を検証し,国内全土にわたる地域診断ラボを連携させ,狂犬病コントロールシステムの基盤強化を行います。さらに感染動物の情報をヒトの曝露後発症予防へ活かすため,有効な医・獣医連携によるワンヘルスによる情報共有基盤を構築し評価します。最終的には狂犬病患者の発症前診断方法を開発し,「不治の病」に対する将来的な治療法開発への道筋をつける内容です。

 本事業は,狂犬病研究の第一人者である西園晃教授がこれまでの大分大学とフィリピン共和国との学術交流実績を元に,わが国の狂犬病研究機関で研究開発された簡易で鋭敏な狂犬病診断技術の有用性を,フィリピン国内の獣医系検査室と医療施設で検証することで,人と動物の健康を一体のものとしてとらえる「ワンヘルス」の視点から動物の狂犬病対策とヒトの狂犬病発症予防治療に活かそうとするものです。これによりワンヘルス情報共有システムを構築し,フィリピン国内で有効に機能させることが本プロジェクトの大きな目標になります。また人における適切な狂犬病発症予防策や臨床診断法を開発・検証し,フィリピンの狂犬病撲滅に資する国際共同研究を行いながら,両国で若手研究者の育成を行いつつ,感染症制御力の向上と技術移転を進める内容です。
 地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)は,一国や一地域だけで解決することが困難であり,国際社会が共同で取り組むことが求められている地球規模課題(環境・エネルギー問題・自然災害(防災)・感染症・食糧問題などについて,日本と開発途上国との国際科学技術協力の強化を推し進め,その解決と科学技術水準の向上につながる新たな知見や技術の獲得,これらを通じたイノベーションの創出,国際共同研究を通じた開発途上国の自立的研究開発能力の向上と課題解決に資する持続的活動体制の構築,また,地球の未来を担う日本と途上国の人材育成とネットワークの形成を行うもので,わが国の科学技術外交の大きな柱の一つです。
 今回の採択課題は,AMEDの「医療分野国際科学技術共同研究開発推進事業」のなかでSATREPSプログラムとしてJICAと共同で実施する事業で,AMEDとJICAの定めた採択審査委員会において書類審査・ヒアリング審査の厳正な審査が行われた結果,19件の応募(感染症分野)から本学と群馬大学の2機関の課題が採択されたものです。

■国立研究開発法人 科学技術振興機構SATREPSホームぺージ
http://www.jst.go.jp/global/sdgs.html

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その他の情報

(事項1)大分大学公開講座 「禁煙について考える 5月31日は世界禁煙デー」開催

 毎年5月31日は,世界保健機関(WHO)が「世界禁煙デー」と定めており,わが国でも厚生労働省が5月31日から6月6日を禁煙週間と定め,さまざまな取り組みが実施されます。
 本学では,禁煙週間期間中の6月4日に,禁煙について考える市民公開講座を開催します。

 本学では既に,全てのキャンパスにおいて平成23年度より敷地内完全禁煙化を実施し,平成24年4月の「大分大学禁煙推進宣言」の制定,平成25年10月の禁煙推進担当の学長特別補佐の配置,平成26年9月より学生及び教職員を対象とした禁煙外来を設置など,学内の無煙環境の構築に取り組んでいます。
 本年5月31日の世界禁煙デーを迎えるにあたり,本学では初めて市民向けの公開講座を開催します。

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(事項2)大分大学文化会 交歓祭2017

 本学旦野原キャンパス内で活動する文化系公認サークルが一堂に会して日頃の活動内容を披露する初夏のフェスティバルである交歓祭2017を開催します。(写真:昨年度の様子)

 交歓祭とは,2005年から始まった文化会の企画であり,毎年新入生がサークルにも慣れ始めるこの時期に開催しています。
 本学旦野原キャンパス内の文化会サークル活動の日頃の成果をより多くの方に知ってもらうこと,サークルを超えた新しい繋がりを生み出すことを目的としています。
 ギャラリーでの展示をはじめ,音楽系サークルは舞台での発表を行います。また,普段見る機会の少ない複数サークルのコラボレーションなども行います。
 グランドフィナーレでは,全てのサークルのメンバーが舞台に上がり,全員で手話付きの歌を歌います。
 入場料は無料です。大分大学生や関係者だけではなく,地域の皆さんも楽しんでいただける内容です。

■開催日時:平成29年6月11日(日) 13:00~(開場12:30)
■開催場所:大分市コンパルホール (演奏会)文化ホール,(展示)ホワイエ

(事項3)理工学部 田上教授らの論文が第67回自動車技術会賞 論文賞を受賞,
    同技術会エンジニアレベル最上位のフェローエンジニアにも認定

 理工学部創生工学科機械コースの田上公俊教授らの論文が公益社団法人自動車技術会第67回自動車技術会賞 論文賞を受賞しました。
 また,JSAEエンジニアレベルの最上位にあたる「JSAEフェローエンジニア」に認定され,5月25日に開催された2017年自動車技術会春季大会授賞式にて表彰されるとともに,第11回自動車エンジニアレベル認定者記念品授与式にて記念品が授与されました。

 公益社団法人自動車技術会は,昭和22年2月に設立され,日本の自動車産業の発展とともに会員が増加し,現在では 40,000名 を超える会員が所属する国内有数の学術団体です。
自動車技術会賞は,「自動車工学及び自動車技術の向上発展を奨励すること」を目的として1951年に創設され,創設以来,自動車技術分野及び本会を代表する賞として常に注目を集め,受賞者の功績は非常に高い評価を得ています。
 現在,授賞対象別に6種の賞が設けられており,本学の田上教授をはじめとするグループの論文「急速圧縮膨張装置でのノッキング特性に及ぼす燃料性状の影響」は,自動車技術に関係ある優れた論文を発表した個人及びその共著者を対象とした論文賞を受賞しました。
 この論文は最新の自動車エンジンで問題となっている「ノッキング現象の解明に関する研究」であり,本研究の知見を基盤としてノッキングの回避策が確立されれば,これまでにない高効率なエンジンが実現可能となるため,自動車エンジン技術への寄与は大きいと高く評価されました。

【対象論文】
「急速膨張装置でのノッキング特性に及ぼす燃料性状の影響」
 田上公俊,地本大秀,木村貴憲,橋本淳,嶋田不美生
 自動車技術会論文集,Vol.47,No.2,pp.339-344,2016.3

 また,田上教授は同技術会が認定する自動車技術者エンジニアレベルの最上位である「JSAEフェローエンジニア」にも認定されました。
 自動車技術者エンジニアレベルとは,自動車技術会員の自動車技術に関する技術レベルを技術開発能力や実務経験から認定するもので最上位から,JSAEフェローエンジニア・JSAEプロフェッショナルエンジニア・JSAEシニアエンジニア・JSAEエンジニアの4段階があります。
 5月25日に開催された2017年自動車技術会春季大会にて行われた表彰式で,論文の表彰及び「JSAEフェローエンジニア」認定証が授与されました。

■公益社団法人自動車技術会ホームぺージ:
http://www.jsae.or.jp/
■自動車エンジニアレベル認定については下記を参照ください。
https://tech.jsae.or.jp/rireki/menu.html

(事項4)平成29年度第1回 医療機器ニーズ探索交流会

 医学部附属臨床医工学センターでは,東九州メディカルバレー構想推進事業・国産医療機器創出促進基盤等整備事業として,大分大学医学部及び附属病院から出された医療機器などに対する医療ニーズを紹介するとともに,医療機器産業を担う企業の皆さまと医療従事者との意見交換会や交流会を行います。

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