お知らせ第144回学長記者会見

第144回学長記者会見

日時
2018-0222
場所
大分県庁県政記者室
第144回学長記者会見

(事項1)国内初 IoTを駆使した患者位置情報・バイタルデータ等の遠隔モニタリングシステムを導入
    -国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)
    平成28年度「未来医療を実現する医療機器・システム研究開発事業
    『認知症の早期診断・早期治療のための医療機器開発プロジェクト』」-

 本学医学部神経内科学講座とTDK株式会社(以下TDK)の共同研究開発により,附属病院内複数個所に設置したマルチゲートウェイを利用した徘徊検知システムを2月末から稼働することになりました。
 これにより遠隔モニタリングシステムでの入院患者の位置情報及び脈拍,皮膚温度,活動量,UV照射量などのバイタルデータと会話量のリアルタイムでの把握が可能となります。
 今回稼働するシステムは,日本初の高効率の生体データ転送技術を利用したもので,クラウドへ直接データを送信できるゲートウェイを複数連携させ,ほぼリアルタイムに多数の端末からデータ収集できるマルチゲートウェイ方式によるバイタルデータ収集システムの稼働は全国初(2018年2月現在 本学,TDK調べ)であり,リアルタイムでの位置情報・バイタル情報表示モニタの導入は県内病院並びに全国の国立大学法人附属病院で初めてです。

 わが国では急速に進行する高齢化を背景に,認知症患者が急増しており,2016年には認知症又はその疑いにより行方不明となる高齢者が年間15,000人を超える(平成29年6月 警察庁発表)など,徘徊対策が急務となっています。
 医学部神経内科学講座は,国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の平成28年度「未来医療を実現する医療機器・システム研究開発事業『認知症の早期診断・早期治療のための医療機器開発プロジェクト』」の事業選定を受け,松原悦朗教授を研究代表者とした研究開発が進められ,当該事業の一環として,平成29年4月より本院神経内科病棟で徘徊検知システムが導入されました。今回,院内の2階東病棟,4階東病棟にも新たにゲートウェイ(TDK製 L10)を追加設置し,装着を希望した患者のリストバンド(TDK製 W20)から,ゲートウェイを経由して,患者の位置情報やバイタルデータをクラウドサーバにアップロードするシステムを導入し,2月末から稼働することになりました。サーバ上の患者の情報は,神経内科病棟に設置したパソコンのディスプレイ上にリアルタイムで表示されるとともに,その患者の過去のデータも表示が可能です。

 このシステムの稼働により,リストバンドを装着した認知症患者の遠隔モニタリングが可能となるとともに,病院内の危険領域への侵入や,バイタル異常の際に,医師や看護師などの医療従事者にアラートにより通知することが可能となりました。認知症患者の徘徊対策のみならず,他疾患の患者への応用も期待されています。
 今後神経内科学講座では,このシステムを活用することにより,従来行われているワンポイントでの診察行動の判断から,24時間収集したデータを集積・解析することで,患者の危険予知,予防にまで範囲を広げていきたいと考えています。

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(事項2)教員就職率2年連続で全国2位を達成!! (平成29年3月卒業者)

 平成30年2月7日,文部科学省が発表した「国立の教員養成大学・学部(教員養成課程)の平成29年3月卒業者の就職状況等について」において,本学教育福祉科学部(現教育学部)の教員就職率(平成29年3月卒業者)が2年連続で全国2位(教育単科大学を除けば全国1位)として紹介されました。
 これは,文部科学省が国立の教員養成大学・学部(教員養成課程)44大学・学部の大学別就職状況を調査し,発表したもので,このうち就職状況調査では,本学教育福祉科学部(現教育学部)は,卒業者から進学者及び保育士就職者を除いた数値を分母とした教員就職率において,全国2位,教員養成系単科大学を除いて全国1位(いずれも2年連続)として紹介されました。
 なお,全ての卒業者数を母数とした教員就職率においても,全国4位(教員養成系単科大学を除いて山口大学と同率で全国1位)と引き続き高い順位を維持しており,本学の質の高い教員養成の実現に向けた取組の効果が着実に現れてきていると言えます。

 本学では,質の高い教員養成の実現に向け,国や大分県の教育課題を踏まえて,カリキュラムや授業内容・方法の見直しを図ってきました。また教員採用試験合格だけでなく,さらには合格後の教員生活をも見据え,「教師育成サポート推進室」や「就職・進路支援室」を中心に,全教員出動態勢のもと,模擬授業や実技試験対策など手厚い指導・支援を行っています。
 「子どものためになる良い先生になりたい」という思いを抱いている皆さん,その夢を叶えるため,大分大学教育学部で教師としての確かな指導力や豊かな人間性を身につけ,一緒に教職の道を目指してみませんか。

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(事項3)平成29年度「おおいた女性活躍推進事業者表彰」本学が第1回受賞事業者として表彰

 本学は,経済団体と大分県が連携し発足した「女性が輝くおおいた推進会議」に「女性活躍推進宣言」を行っています。「女性活躍推進宣言」は,女性が働きやすい職場づくり,環境整備,制度の導入,採用目標などについて目標を設定し取り組むことを目的としています。
 この度,その宣言に基づく本学の取組内容が優れているとの評価を受け,「おおいた女性活躍推進事業者表彰」の栄えある第1回目の受賞事業者として表彰されることが決定し,大分県庁で行われた表彰式に,本学の松浦副学長(ダイバーシティ担当)が出席しました。

 本学は教職員・学生が男女等しくその能力を十分に発揮して活躍できる大学をめざしています。この栄誉を励みとして,さらに取組を推進し,地域に貢献します。

その他の情報

(事項1)平成29年度 卒業式・学位記授与式の実施について

 平成29年度卒業式・学位記授与式を3月22日(木)に実施します。
(写真:28年度卒業式・学位授与式の様子)

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(事項2)大分東明高等学校生を対象に大分県地域性植物資源を利用した創薬体験学習会開催

 中学校,高等学校の生徒の理科離れを解消するために,本学では体験型学習事業(Jr.サイエンス)を行っています。
 今回は,学校法人平松学園 大分東明高等学校でバイオ系学部への進学に興味を持つ生徒を本学に迎え,「生薬」や「薬用植物」などと呼ばれる草木に含まれる有効成分を解析する実験により,薬学や農芸化学という学問の一部を体験してもらいます。
 この学習会を通じて,参加した高校生に「科学」や「研究」に対する興味を持ってもらうとともに,大分県の地域性植物資源に対する理解を深めてもらうことを目的としています。

 大分県には薬学部や農学部を有する大学がなく,この領域に興味を持つ高校生が進路選択に不安を感じているという話を耳にします。
 実際に,バイオサイエンスに関わる生命科学領域として,
 ・理学部系:生物学科,応用生物学科
 ・農学部系:農芸化学科,バイオサイエンス学科
 ・工学部系:生物工学科
 ・薬学部系:創薬科学科
 など,複数学部にさまざまな学科が存在し,多くの高校生を混乱させています。

 今回の学習会では,農学部農芸化学科や薬学部薬学科,製薬科学科で日常的に行われている分析手法を用いて,農芸化学や薬学分野での研究を体験し,これらの学部・学科の社会的意義を理解してもらうことを考えています。同時に,それぞれの学科ではどのようなことを学習,研究するのかという点を理学系,薬学系,工学系出身の教員が解説し,高校生の進路選択に役立ててもらいます。

 この学習会を通じて,参加した高校生が,大分県にはバイオテクノロジー領域で活用できる多くの天然資源が存在することを理解し,身近な環境にも研究・開発テーマが多く存在するという視点を養うことを期待しています。

■開催日時:平成30年3月3日(土)13:00~17:00
■開催場所:大分大学医学部附属臨床医工学センター(挾間キャンパス基礎臨床研究棟1階)

(事項3)平成30年3月 定年退職教員一覧

 平成30年3月で本学を定年退職する教員は以下のとおりです。

  ※クリックしたら拡大します。

(事項4)読書コンテストで医学部看護学科生が優秀賞を受賞
    -オックスフォード・ビッグ・リードコンテスト2017

 英語教育の促進と多読用図書の普及を目的に、オックスフォード大学出版局主催・紀伊國屋書店協賛で行われる、全国規模のグレイディッド・リーダー読書コンテストであるオックスフォード・ビッグ・リードコンテスト2017にて,本学医学部看護学科1年の藤野みゅうさんの作品が,応募数122作品の代表として優秀賞(中国・四国・九州・沖縄代表)を受賞しました。(写真:優秀賞を受賞した藤野さんの作品)
 また,医学部看護学科1年の安部花音さんの作品が,全国の応募者の中か優秀作品(30名)に選ばれました。
 このコンテストは,日本国内の中学・高校・専門学校・大学などの教育機関に在籍する生徒並びに学生を対象として実施するもので,指定された英語の図書の中から1冊を選び,その内容や好きな点などを英語で表現したポスターなどの作品を制作し応募するコンテストです。

オックスフォード・ビッグ・リードコンテスト2017ホームぺージ
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(事項5)緑内障の啓発のために 世界緑内障週間(3月11日~17日)ライトアップ in グリーン運動

 3月11日~17日の世界緑内障週間に合わせて,日本緑内障学会の「世界緑内障週間 ライトアップ in グリーン実行委員会」では,多くの方に緑内障という疾患の存在を知ってもらうために,各地のランドマークをグリーンにライトアップする活動を行っています。本学医学部眼科学講座もこの活動をサポートします。
 緑内障は現在我が国における中途失明原因の第1位です。我が国では40歳以上の20人に1人が緑内障と考えられていますが,初期は自覚症状がなく視野障害が進行してから気づく人がほとんどです。一方で,診断と治療の進歩によって,早期に診断され治療を継続すれば,緑内障によって失明に至る確率は大幅に低下しています。したがって,緑内障による失明を防ぐには,多くの方に緑内障という疾患の存在を知ってもらうことが重要です。
 日本緑内障学会の「世界緑内障週間 ライトアップ in グリーン実行委員会」では,城やタワー,高層ビルなど全国各地のランドマークをグリーンにライトアップする活動を通して,より多くの人に緑内障という眼の疾患に関心を持っていただくことで,早期発見そして失明予防につながることを願うものです。
 今年は全国で68か所のライトアップを行う予定で,大分県もJRおおいたシティがライトアップ in グリーン運動に参加する予定です。

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