お知らせ令和4年度4月学長記者会見

令和4年度4月学長記者会見

日時
2022-0419
場所
大分県庁記者会見室
令和4年度4月学長記者会見

(事項1)クライシスマネジメント機構の設置

 感染症の流行や自然災害など,平時ではない想定を超えたクライシスが多発するなかで,多様化するリスク,マルチハザードへの対応を強化・高度化するため,災害対策,感染症対策,医療・福祉対策を行う学内関係部局間におけるハザードに対応するセンターや教員を組織化し,クライシスマネジメント機構を令和4年4月1日に設置しました。
 同機構では,地域社会との連携のもと,大分県域においてクライシスに対応するためのデータマネジメントとそれを活用したコミュニケーション,それらを結実させた形でのクライシスマネジメントの構築に取り組み,同時に社会実装を図ることで,安全・安心で持続可能な社会の実現のため,社会共創拠点を目指します。
 全国で多発する多様かつ複合的な災害への備えが求められるなか,併せて災害への対応力強化と平時からの地域課題解決への取り組みが求められています。しかしながら,災害時の防災・被災状況,医療情報等は,各組織・団体内での共有にとどまり,その枠を超えた様々な分野との情報共有が課題です。
 感染症対策から,防災・減災の視点などの多様なリスクを含めたマルチハザードへの対応へと視点を拡げ,災害時に災害・医療情報を適切に管理・共有し,組織の枠を超えて様々な情報と連携を行うことにより,リソースの適切な配分と有効利用につなげるなど,新たなリスクへの対応力強化,社会実装をより一層進め,地域BCP(事業継続計画)へと発展させることが重要です。このようなマルチハザードへの対応のためのリスクマネジメントからクライシスマネジメントを担いうる人材の育成も急務であり,自治体や地域との連携のもと,取組を持続的に推進します。
 本機構は,グローカル感染症研究センター,減災・復興デザイン教育研究センター(CERD),医学部附属病院災害対策室及び福祉健康科学部が中心となり構成されるバーチャルな組織であり,本学各学部や,大分県,各自治体,関連団体等と連携のもと,感染症・防疫,防災・減災,医療・福祉に係るインテリジェンス・ハブとしての機能を拡充し,感染症の流行(パンデミック)や自然災害をはじめとするマルチハザードへの対応を強化し,安全・安心で持続可能な地域形成社会に寄与することを目的としています。

(事項2)令和5年度 大分大学の改組

 本学では,学長のリーダーシップの下,44年ぶりの新学部となる「福祉健康科学部」の設置を皮切りとして,平成28年度以降,学部・学科・研究科の新設・再編を進めてきました。
 このほど,変化する社会の中で,地(知)の拠点として地域・社会の新たなニーズに応えるため,令和5~6年度の2ヵ年にわたり,医学部への新学科設置を目玉とする全学的な改組及び入学定員の学内シフトを予定しています。

【改組】
■医学部 先進医療科学科(仮称)の設置(入学定員35人)

・生命健康科学コース(20人)
 →最新の生命科学及び医学の知識を修得するとともに,臨床検査技師国家試験受験資格を得ることも可能
・臨床医工学コース(15人)
 →最新の生命科学・医工学及び医学の知識を修得するとともに,臨床工学技士国家資格受験資格を得ることも可能(国立大学初)
■理工学部 2学科8コース → 1学科9プログラムへの改組
・ 創生工学科,共創理工学科 → 理工学科
・ 物理学連携プログラム,地域環境科学プログラムの設置

【入学定員の学内シフト】
■教育学部:
135人→150人(+15人 時限10年)
■経済学部:経済学科 90人→80人(▲10人)
・経営システム学科 80人→75人(▲5人)
・地域システム学科 80人→75人(▲5人)
■医学部:先進医療科学科(仮称) 35人(+35人)
■理工学部:385人→355人(▲30人)

※現在,これらの改組等を行うため,文部科学省に申請手続を行っているところであり,審査結果によっては,今後計画の内容が変更となる場合もあります。
なお,令和6年度の改組等の詳細は後日改めてお知らせします。

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(事項3)大分大学ビジョン2040

 本学では,大分大学憲章に示された使命を達成するために,不確実性の高い未来にあっても惑うことなく不断の改革を推進する指針として,2040年を見据えた「大分大学ビジョン2040」を策定しました。
 本ビジョンは,本学の果たすべき役割・未来のあるべき姿を検討し,本学が今後進んでいく道筋を,教育,研究,医療・福祉,地域貢献の4つの分野に分け,それぞれのビジョンを明示しています。

■教育:持続可能で多様性にあふれる社会を創生する人材を育てるための開かれた学びの創造
■研究:世界の知をリードし,地域及び国際社会の現在及び未来の課題に応える新たな学問領域の開拓とイノベーション創出の推進
■医療・福祉:先端医療と高度な福祉支援の推進,地域への健康と福祉の提供
■地域貢献:次世代に誇れる魅力的で持続可能な地域社会のデザイン

 本ビジョンは,本学の将来を担う若手の教授,准教授を中心としたメンバーにより検討を行いました。作業過程においては,2015年度からの6年間を対象に作成した「大分大学ビジョン2015」の達成状況を検証するとともに,学内外のご意見を得ながら,約2年に及ぶ議論の上に完成しました。
 これまで本学では,国立大学法人の中期目標期間(6年間)に合わせた形のビジョンを策定していましたが,本ビジョンは,平成30年11月の中央教育審議会答申「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン」を参考に,2040年を見据えたものとしました。
 本学は,2040年という未来に向けて,今後とも社会からの信頼を得,地域の課題解決に向き合いつつ,本ビジョンの達成に向けて,自ら改革を進めていきます。

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(事項4)新型コロナウイルスワクチン(3回目)大学拠点接種

 ワクチン接種に関する接種の加速化を図るため,1回目・2回目の大学拠点接種に続き,3回目の新型コロナウイルスワクチン接種を本学の旦野原キャンパス及び挾間キャンパスにおいて,実施することとしました。
 本学の学生,教職員を対象にワクチン接種を実施するとともに,地方国立大学として,大分県立芸術文化短期大学,大分県立看護科学大学,大分工業高等専門学校の教職員,学生も受け入れることとし,以下の内容で実施する予定です。
 使用ワクチンは「モデルナ社製(スパイクバックス)」で,接種は,いずれの会場においても本学医学部の医師,看護師等が行います。

【旦野原キャンパス】
対象者:本学及び大分県立芸術文化短期大学,大分工業高等専門学校の学生・教職員
接種予定人数:約1,700人
場所:旦野原キャンパス 第3体育館
接種時期:4/20(水)・4/21(木)・4/22(金)・4/27(水)・4/28(木)・4/29(金)の6日間

【挾間キャンパス】
対象者:本学及び大分県立看護科学大学の学生・教職員
接種予定人数:約600人
場所:医学部附属病院 中央採血室
接種時期:4/20(水)・4/21(木)・4/22(金)・4/27(水)・4/28(木)の5日間

※今回のワクチン接種は3回目接種のみを対象とするため,1・2回目が未接種の方,または2回目接種日から6ヶ月以上経過していない方は接種できません。

 本ワクチン接種はあくまでも希望する方に対して接種するものであり,ワクチン接種を義務化したり,接種しない方が不利益を受けたりするものではありません。

(事項5)国家試験合格率(福祉健康科学部・医学部)及び研修医マッチ率

 令和4年に実施された国家試験において,本学は福祉健康科学部,医学部共に高い合格率を達成しました。
 また,研修医のマッチ率においても,昨年に続き九州内の国立大学で第2位となり,高い水準を維持しています。

(1)福祉健康科学部 国家試験結果
理学療法士・精神保健福祉士・看護師で合格率100%を達成!
本学福祉健康科学部の令和4年3月卒業生は,理学療法士及び精神保健福祉士国家試験において,受験者全員が合格し,合格率100%を達成しました。精神保健福祉士は9年連続合格率100%を達成しており,社会福祉士についても,全国平均合格率を大きく上回っています。


※理学療法士は新卒の合格率。社会福祉士・精神保健福祉士は,
 新卒合格率が公表されていないため,既卒を含んだ合格率


(2)医学部 国家試験結果
本学医学部の令和4年3月卒業生は,医師国家試験合格率において,九州内の国立大学で第1位となりました。また,看護師国家試験は,受験者全員が合格し,合格率100%を達成しました。



(3)令和4年採用研修医マッチ率
研修医マッチ率2年連続九州内の国立大学で第2位!
本学は令和4年度採用の研修医のマッチング※において,昨年に続きマッチ率が九州内の国立大学で第2位となりました。
平成16年度から,医師は最初の2年間,初期臨床研修が義務化され,研修医は全国のどの臨床研修指定病院にも応募することが可能となりました。大分大学では,地域基幹病院との「たすき掛けコース」や「基礎研究医養成コース」など,特色のある魅力的な研修プログラムを提供しており,毎年,県内外から多くの研修医の応募があり,高いマッチ率で質の高い研修医養成の実績を挙げています。

※マッチングとは,臨床研修を受けようとする者と臨床研修を行う病院の研修プログラムを,お互いの希望を踏まえて,一定の規則に従って,コンピュータにより組合せを決定するシステムです。

その他の情報

(事項1)市民公開講座「くらしの中のがん予防」

■開催日時:令和4年5月14日(土) 13:30~16:00(開場13:00)
■開催場所:iichiko音の泉ホール

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(事項2)大分大学公開講座(オンライン講座)「声の響かせ方と朗読の基礎技法Ⅰ」

■開催日時:令和4年5月10日(火)・17日(火)・31日(火)・6月7日(火)
17:30~18:45
※オンライン講座(同時双方型)

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(事項3)広報誌「BUNDAI.OITA」第62号発行

 大分大学広報誌「BUNDAI.OITA」の第62号が完成しました。今号の特集は「福祉について,考えよう」です。

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