お知らせトピックス2015-029

「第一回世界障害学生eスポーツ大会」に日本代表として参加

 2015年9月8日と9日に韓国ソウルで開催された第一回世界障害学生eスポーツ(エレクトロニックスポーツ)大会に,大分大学教育福祉科学部附属特別支援学校の児童生徒4名と保護者2名が,日本代表として参加しました。この大会は,障がいのある児童生徒の情報化能力の向上を通して,情報格差の解消,健全な余暇生活の開発による生活の向上,国際障害教育の交流の拡大及び障害学生間のオンラインコミュニティの増大,参加国の特殊教育情報と福祉文化交流及び友好増進を目的として,大韓民国国立特殊教育院主催で開催され,今回実施された競技種目は以下の4種目です。
 1)「キネクト・スポーツ陸上」(知的障害)
 2)「マグマグ」(肢体不自由学生 3名1チーム)
 3)「みんな一緒にブンブンブン」(知的障害児童と保護者で1チーム)
 4)「みんなのマーブル」(知的障害生徒と兄弟児で1チーム)
 本学附属特別支援学校からは「みんな一緒にブンブンブン」に小学部2チームと「キネクト・スポーツ陸上」に高等部生徒2名が参加しました。「みんな一緒にブンブンブン」は,親子で協力しながら相手より速く車をゴールさせるゲームで,初出場にも関わらず日本チームが見事3位入賞を果たしました。「キネクトスポーツ」は大きなスクリーンに映し出される選手に自らを置き換え,「100メートル走,ハードル走,走り幅跳び,やり投げ,砲丸投げ」の5種目の総得点で競うもので,生徒は練習の成果を発揮し自己ベストを出す場面も見られましたが,惜しくも入賞は叶わないませんでした。「マグマグ」には,筑波大学附属桐が丘特別支援学校の生徒6名2チームが参加し,3位に入賞しました。日本以外には台湾からの参加があり,3カ国で争う世界大会となりました。韓国の選手は国内予選を勝ち上がってきただけあり,どの種目も上位2位を独占するという活躍ぶりでした。
 競技に参加した同校の児童生徒は,「大きな賞がもらえてうれしかった」「負けたときはすごく悔しくて涙が出た」「世界大会は思っていたよりもずっとレベルが高かった」「大会だけでなく韓国の文化を知り,海外の選手と交流ができたことがよかった」といった感想を持ち,eスポーツを通して貴重な体験をし,また参加したいという意欲につながりました。保護者からは,「ゲームをやっている子どもたちがとても真剣で,生き生きとしていました」「本人の意欲がわく機会を与えることの大切さを学びました」「多感な今,海外に目を向け異文化との交流,人との関わりは,今後の彼らの人生にきっといい影響を与えると思います」といった感想が聞かれました。
 大会は,ソウル市江南区にある広いコンサートホールをそなえたThe-k Hotelという会場で開催されました。e-スポーツだけあって,各国代表の生徒がステージに並びスイッチを押すことで,音楽と電気映像が繰り広げられるにぎやかなオープニングでした。同夜には,ホールでKBS3ラジオ公開放送も行われ,韓国の10組のスターが出場し大会の盛り上がりに一役を買っていました。
 今回の大会に本校生徒が韓国から招請され参加することになったのは,本校が韓国のミラル学校と2007年に姉妹校締結を結び,これまで永年研究交流を行ってきたことが経緯となっています。そこで大会前日に,生徒・保護者と共に引率教員を含む11名全員でミラル学校を訪問しました。教員同士の交流はこれまでも行っていましたが,生徒と保護者がミラル学校を訪問したのは今回が初めてです。教育方針や施設設備のすばらしさに触れたり,同級生と通訳を通して話をしたりするなどの時間を持てたことは,大会参加以外にも大きな収穫でした。

競技の様子
競技の様子
3位入賞を果たした児童
3位入賞を果たした児童
通訳を介して他国の児童生徒と交流
通訳を介して他国の児童生徒と交流
ミラル学校を訪問
ミラル学校を訪問