お知らせトピックス2016-030

工学部機械・エネルギーシステム工学科 後藤真宏 教授らの論文が Nature Publishing Group の電子ジャーナル Scientific Reports に掲載されました

 本学工学部 機械・エネルギーシステム工学科 後藤真宏教授と韓国の研究者グループ(韓国材料科学研究院Han博士(主任研究員),Kangwon大学Lim教授,Gyeongsang大学Kim教授,Changwon大学Lee教授ら)の研究チームは,従来の手法と全く異なる視点から強度と電気導電性,強度と延性のトレードオフ関係を打ち破る高強度・高導電性の銅合金を開発し,その特異な性質の物理的根拠を明らかにしました。
 本研究成果は,2016年8月4日にNature Publishing Groupの電子ジャーナル「Scientific Reports」で公開されました。

 銅合金は,コネクターや回路内の導電性バネなど電気電子部品の素材として使用されており,その品質には強度(丈夫さ)と導電性(電気の通りやすさ)の両方が求められています。中でもCu-Ni-Si系合金(ニッケル/シリコン系銅合金)は強度と導電性の組み合わせ特性が良く,最近の機械・電気電子部品の小型軽量化,高集積化に伴い,現在も活発に研究・開発が進められています。
 ところが,銅合金には強度が強くなれば導電性が減少するという関係性があり,一方の値が改善すれば,他方の値が悪化することが知られています。
 このことについて,後藤真宏教授らの研究チームは,従来とは全く異なる着想によって,強度が増加するにつれて導電性が減少するという銅合金の性質を破る手法を開発しました。今回開発した手法は,特別な設備・装置は必要としないこと,銅合金以外のアルミニウム合金,ニッケル合金などの強化にも応用できると考えられることから,今後,学術・工学上のさらなる発展が予想されます。

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