お知らせトピックス2017-073

医学部内分泌代謝・膠原病・腎臓内科学講座の前島圭佑助教が,
第45回日本臨床免疫学会総会で症例報告賞を受賞

 本学医学部内分泌代謝・膠原病・腎臓内科学の前島圭佑助教が,9月28~30日に京王プラザホテルで開催された第45回日本臨床免疫学会総会で,新設された学会賞(症例報告賞)を受賞しました。日本臨床免疫学会は,自己免疫,アレルギー,神経免疫,消化器免疫,皮膚免疫,癌免疫,生殖免疫,免疫不全など数々の免疫疾患の研究者が集まり,横断的に議論し学び合う学会です。
 前島助教は,長期間に渡り膠原病として管理していたところ免疫不全症が合併したため遺伝子検査を実施した結果,原発性免疫不全症が判明した症例を報告しました。原発性免疫不全症は先天的な原因で発症する免疫不全症であり一般には小児科領域とされますが,実際には成人発症例が存在し,時に自己免疫疾患である膠原病の病像を呈することが近年報告されています。ところが症例数が少なく疾患概念の理解が不十分であり,その考え方が内科医に普及していないのが実状です。膠原病内科医の立場でも最低限の免疫不全症の知識が必要であることが再認識された貴重な一例として報告を行いました。
 本学医学部附属病院においては,今後の診療においてもこのような症例の可能性について念頭に置き,正確な診断を目指して参ります。

左から前島助教と日本臨床免疫学会理事長の上阪等教授
左から前島助教と日本臨床免疫学会理事長の上阪等教授