お知らせトピックス2018-089

大学院福祉社会科学研究科・福祉健康科学部合同スウェーデン海外研修

 大学院福祉社会科学研究科と福祉健康科学部は,3月17日~3月24日にスウェーデン海外研修を実施しました。大学院福祉社会科学研究科が平成19年度より実施している海外研修に福祉健康科学部の正規講義を新たに加えて共同で企画したもので,平成30年度学長戦略経費「派遣留学生支援制度」の支援を受けて実施されました。
 研修は,国立メーラダーレン大学との連携の下,福祉先進国であるスウェーデンにおける制度政策と実践を学び,日本の福祉の方向性や課題の比較研究を目的とした実践的なもので,教員4名と大学院生4名および学部生4名の計12名が参加し,学生は事前にスウェーデンの福祉制度と英語コミュニケーションを学び,十分な準備をして臨みました。
 研修前半は,Eskilstuna市で,メーラダーレン大学を開催校とする世界ソーシャルワーク大会に参加し,スウェーデン・日本両国の福祉現場における困難事例を題材に,スウェーデン人学生とケーススタディを行いました。討論チームに参加した本学学生は,セッション開始当初は沈黙していましたが,スウェーデン人学生からの容赦ない"What do you think?"の連発に押されて,次第に議論に加わっていきました。学生は,国や制度が異なっても同世代で真摯に福祉を学ぶ者同士,得るものが多く大きな財産になったと話していました。
 実践の面では,主に中東からの年少の移民を受け入れ,スウェーデン社会で自立できるよう支援する市運営の保護施設を訪問しました。学生は施設職員が語った「私達は専門職員と同時に彼らの親です」との言葉に感動していました。
 研修後半は南部の大都市Linköpingに移動し,長い歴史を有する高齢者施設のAspenを訪問し,入所者と食事をとりながら交流を深めました。また重度の認知症の高齢者を対象に先進的な取組を行う市営施設を訪問し,職員から制度全般と実践についてレクチャーを受けました。同施設は,大学との連携の下,日本企業「トヨタ式」の改善ボードや,モバイルアプリを用いてライフストーリーを把握するなど先進的な取組も実施しており,日本での福祉実践への示唆に富む訪問となりました。
 また難民を中心にスウェーデンの言葉や文化を共に学ぶボランタリーな言語カフェ活動も訪問し,歓迎を受けました。参加者はシリアやアフガニスタンなどの紛争地域出身者など,多様な人種かつ様々なバックグラウンドでしたが,学生は臆することなく積極的に輪に入ってコミュニケーションをとっていました。
 一週間と短い間でしたが,学生にとって貴重な経験となり,それぞれの大きな成長に繋がる研修となりました。なお,成果報告会を4月末に予定しており,多くの方の参加をお待ちしています。

メーラダーレン大学生とのケーススタディ
メーラダーレン大学生とのケーススタディ
移民保護施設を訪問
移民保護施設を訪問
リンシェーピン先進高齢者施設の改善ボードの前で
リンシェーピン先進高齢者施設の改善ボードの前で
ストックホルム市庁舎前で
ストックホルム市庁舎前で