お知らせトピックス2019-014

JICA「ケニア国における医療検査診断技術向上プロジェクト」に
本学医学部岩下講師が参加しました

 独立行政法人国際協力機構(JICA)の「ケニア国における医療検査診断技術向上プロジェクト」における日本からの教育担当医師として,本学医学部消化器・小児外科学講座の岩下幸雄講師が参加しました。本事業は,JICA草の根技術協力事業の一環として2016年6月から3年間,一般社団法人共生の会が実施したものです。
 岩下講師は,4月25~26日,ケニアの首都ナイロビにあるFOREST JAPAN MEDICAL CENTRE(FJMC: 院長 武居光雄先生)の内視鏡室において,ケニア人若手医師4名と国立JKUAT大学(Jomo Kenyatta University of Agriculture and Technology)の医学生19名を対象に,内視鏡技術の指導を行ないました。はじめにスライドを使用した講義を行った後,トレーニングモデルを用いて内視鏡の挿入,診断のハンズオントレーニングを行いました。全ての参加者が「初めて内視鏡に触れた」とのことで興味津々,真剣な表情で内視鏡を覗き込み,ノブを回して先端が動く様子を観察していました。いざ挿入を行う際には,内視鏡把持の仕方から指導が必要でしたが,数名の参加者はすぐに要領を得て,食道から胃,十二指腸までの挿入を自力で完遂できていました。医学生から「胃の出血を治療するのに使用できることは素晴らしい,どのように止血するのか?」という具体的な質問を受け,ケニアでは胃の緊急止血はまずIVRで行っているので,日本での常識はケニアでは通じないことを知りました。また,翌日はFJMCでこれまでに60回以上(月1回/5年)実施しているナクル州での巡回診療にも参加し,最貧困地域における医療事情を垣間見ることができました。
 「本事業を通して,ケニアに不足している医療環境を考えると同時に,我々が日本人として忘れかけている優しさや自由な発想,生命の重さについて考える機会になりました。主催されたJICAと共生の会スタッフの皆様に長年の活動への敬意を表すとともに感謝申し上げます。」と岩下講師は話されました。

内視鏡の講義
内視鏡の講義
内視鏡のハンズオントレーニング
内視鏡のハンズオントレーニング
巡回診療の様子
巡回診療の様子
巡回診療順番待ちの子供達と遊ぶ
巡回診療順番待ちの子供達と遊ぶ