お知らせトピックス2019-064

大分大学派遣留学生支援制度(短期研修型)により工学研究科の大学院生がドイツを訪問

 本学工学研究科の大学院生が,大分大学派遣留学生支援制度(短期研修型)を活用し,プログラム名称を「デザインシンキングを活用した減災まちづくり・復興デザイン能力向上」とし,ドイツのSAP関連施設を訪問しました。(期間:10月14日~10月20日)
 渡航前には,事前レク(デザインシンキングの概要と応用事例)を受け,「今日の住まい方と社会システム」をテーマにデザインシンキング に取り組み,SAP SEにおいて最終報告を行いました。これに加えて,現地で「アンカンファレンス」に関する事前指導を行い,各自が設定したテーマについて討論を行いました。減災を考えることは今日的課題を考えることと通じており,テクノロジーを中心に,それに関わるひとのあり方やコミュニケーションなどをテーマに,減災社会実現のための自由討議をSAPおよびザイナスの指導を受けながら実施しました。議論として,安全な社会のために求められるテクノロジーへの提案,コミュニティのあり方そのものが問われており,そこに存在するひとへの教育や社会システムの改革が必要なことなどが提案されました。その後,SAPの最新のテクノロジーと環境(SAP SE,SAP DATA SPACE)を視察し,日本においてどのように活用可能かなどの議論も行いました。イノベーションを実現する世界最先端の環境を体験する良い機会となり,また,研修の合間には歴史都市ハイデルベルクやベルリンの視察も行い,日本の都市空間や「まち」の使われ方の違いを体感することができ,都市計画学を専攻する学生にとっても貴重な時間となりました。
 参加学生からは「最後の意志決定はテクノロジーではなく,人間に委ねられるため,感性を大切にする必要がある」「自分が持つ課題とテクノロジーを融合させるためには,常にアンテナを張り続ける必要がある」などの感想や意見があげられました。今後の就職活動や進路に大いに参考となったとも発言があり,これからの研究および社会貢献活動にも活かされることを期待しています。

※デザインシンキング(デザイン思考):経験則に頼らず,人を中心として,問題や課題に対し,デザイン的な考え方と手法で解決策を
 見出す考え方や方法。
※アンカンファレンス:予め発表者や講演内容を決めずに,当日の参加者が話したい内容を発表し討議を進める,参加者全員で実施する
 カンファレンスのことを指す。


参加学生:工学研究科 相川倉健,江内谷万緒,大野桃菜,吉本沙穂
帯同教員:小林祐司(減災・復興デザイン教育研究センター長,理工学部教授)※指導教員
     鶴成悦久(減災・復興デザイン教育研究センター次長・准教授)
実施協力:吉田彰(SAPジャパン,減災・復興デザイン教育研究センター客員研究員)
     山本竜伸(株式会社ザイナス,減災・復興デザイン教育研究センター客員研究員)

デザインシンキングの実践(渡航前)
デザインシンキングの実践(渡航前)
歴史都市ハイデルベルクの町並み
歴史都市ハイデルベルクの町並み
SA SE(ヴァルドルフ)での議論の様子
SA SE(ヴァルドルフ)での議論の様子
SAP DATA SPACE(ベルリン)での議論の様子
SAP DATA SPACE(ベルリン)での議論の様子