大学概要平成31年度 入学式 学長告辞
平成31年度 入学式 学長告辞
皆さん，入学おめでとうございます。桜が咲き誇る中，本日，ここに大分大学入学式を挙行できることを，皆様と一緒に喜びたいと思います。
本年は，１，１４９名の学部学生,２２４名の大学院学生の，計１，３７３名を新しく大分大学の仲間として迎えることができました。入学する皆さんに, また，本日御列席の御家族の皆様に対しまして，心よりお祝いを申し上げます。
本日，平成最後の年に入学する皆さんにとって記念すべき入学式になりました。というのも，３日前，新しい年号が「令和」になると発表されました。安倍総理から，この「令和」という言葉には，「人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つという意味が込められている」と説明がありました。皆さんが大学生活の中で，心を寄せ合い，ともに成長する友人と出会えることを願っています。
きっと今，皆さんは，これからの人生に対する夢や希望に胸を膨らませていることでしょう。大学は，勉強をすることはもちろん，様々な経験を通して社会人として生き抜く能力を身に付け，専門的な知識を学んで，自分だけの人生を切り拓いていく場です。しかし，これまでとは全く異なる学びの世界が広がっているため，最初は戸惑うこともあるかもしれません。本学では，学習面の相談だけでなく，生活面も含めて専門スタッフが皆さんの相談を受ける体制を整えていますので，「履修の仕方が分からない」，「人間関係が難しい」など，不安なことや分からないことがあれば何でも相談してください。大学生活は長いようで短いものです。無為に時を過ごすのではなく，何かに興味を抱くべくアンテナを大きく張り，自ら探求する姿勢を持ち続けてください。充実感やドキドキ・ワクワクする気持ちを少しでも多く経験し，大学の学びの中で，何らかの歓びを見出すことを願っています。
私は外科医として，これから皆さんが今現在の健康を保ち，一生健康に過ごせるコツを教えます。それは良い生活習慣を持ち続けることです。言い換えれば，生活習慣病にかからないよう気を付けることです。
まず，今からすぐにできることは，喫煙習慣を持たないことです。なぜなら，まだ多くの皆さんが喫煙習慣をもっていない今こそ，その害を知り，それを避けることで一生にわたり健康でいられる確率が増すからです。その結果，社会で活躍できる人材を育成するという，本学の役割も果たせるものと思っています。
国立がん研究センターの発表では，日本全国で喫煙による年間死亡者が１５万人，そのうち，受動喫煙が原因で１万５千人が死亡しているそうです。昨年の交通事故による死亡者数が約３，５００人ですので，喫煙がどれほど健康に有害かがわかります。
昨年，２０２０年開催の東京オリンピック・パラリンピックに向けて健康増進法の一部を改正する法律が制定され，望まない受動喫煙の防止を図るため，一定の場所を除き喫煙を禁止することとなりました。
今から２６年前，私が大分医科大学の外科学講座を担当するため大分に赴任した当時，病棟の医師が集まる部屋に行ってみると灰皿があり，吸い殻が沢山溜まっていました。それまでの勤務地では，少なくとも室内禁煙となっていましたので，教室の責任者として即座に病棟医員室，カンファレンス室，研究室の禁煙を徹底させました。今では関連の病院も含めて，教室出身者は全て非喫煙者になっています。本人はもちろん御家族も大層喜んでいるとのことです。
喫煙習慣は格段に多くの健康障害を起こします。本学では皆さんを煙の害から守るため，敷地内禁煙は勿論のこと，「職員の受動喫煙の防止等に関する規程」のもと，教職員の勤務時間内の喫煙を禁止し，教員の採用に当たって非喫煙者を優先することとしています。このように，本学は皆さんが健康で良い環境のもと勉学に励めるよう整備を進めてきました。
次に，先ほども話題にしました東京オリンピック・パラリンピック開催まで，５００日を切りました。今，世間では，競技スポーツが脚光を浴びています。
文部科学省の「スポーツ振興基本計画」において，「スポーツは，人生をより豊かにし，充実したものとするとともに，人間の身体的・精神的な欲求にこたえる世界共通の人類の文化の一つである。心身の両面に影響を与える文化としてのスポーツは，明るく豊かで活力に満ちた社会の形成や個々人の心身の健全な発達に必要不可欠なものであり，人々が生涯にわたってスポーツに親しむことは，極めて大きな意義を有している。すなわち，スポーツは，体を動かすという人間の本源的な欲求にこたえるとともに，爽快感，達成感，他者との連帯感等の精神的充足や楽しさ，喜びをもたらし，さらには，体力の向上や，精神的なストレスの発散，生活習慣病の予防など，心身の両面にわたる健康の保持増進に資するものである。」とスポーツの意義を述べています。
皆さんも，競技スポーツとまでいかなくとも，生涯スポーツとして，それぞれに合った運動を定期的に行う習慣を身に付け，一生健康に過ごすよう心掛けてください。
皆さんが今のうちに良い習慣を身に付け，有意義な学生生活を送り，やがて社会に大きく貢献する人材に育ってくれることを心から願って，私の告辞とします。
平成31年4月4日
本年は，１，１４９名の学部学生,２２４名の大学院学生の，計１，３７３名を新しく大分大学の仲間として迎えることができました。入学する皆さんに, また，本日御列席の御家族の皆様に対しまして，心よりお祝いを申し上げます。
本日，平成最後の年に入学する皆さんにとって記念すべき入学式になりました。というのも，３日前，新しい年号が「令和」になると発表されました。安倍総理から，この「令和」という言葉には，「人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つという意味が込められている」と説明がありました。皆さんが大学生活の中で，心を寄せ合い，ともに成長する友人と出会えることを願っています。
きっと今，皆さんは，これからの人生に対する夢や希望に胸を膨らませていることでしょう。大学は，勉強をすることはもちろん，様々な経験を通して社会人として生き抜く能力を身に付け，専門的な知識を学んで，自分だけの人生を切り拓いていく場です。しかし，これまでとは全く異なる学びの世界が広がっているため，最初は戸惑うこともあるかもしれません。本学では，学習面の相談だけでなく，生活面も含めて専門スタッフが皆さんの相談を受ける体制を整えていますので，「履修の仕方が分からない」，「人間関係が難しい」など，不安なことや分からないことがあれば何でも相談してください。大学生活は長いようで短いものです。無為に時を過ごすのではなく，何かに興味を抱くべくアンテナを大きく張り，自ら探求する姿勢を持ち続けてください。充実感やドキドキ・ワクワクする気持ちを少しでも多く経験し，大学の学びの中で，何らかの歓びを見出すことを願っています。
私は外科医として，これから皆さんが今現在の健康を保ち，一生健康に過ごせるコツを教えます。それは良い生活習慣を持ち続けることです。言い換えれば，生活習慣病にかからないよう気を付けることです。
まず，今からすぐにできることは，喫煙習慣を持たないことです。なぜなら，まだ多くの皆さんが喫煙習慣をもっていない今こそ，その害を知り，それを避けることで一生にわたり健康でいられる確率が増すからです。その結果，社会で活躍できる人材を育成するという，本学の役割も果たせるものと思っています。
国立がん研究センターの発表では，日本全国で喫煙による年間死亡者が１５万人，そのうち，受動喫煙が原因で１万５千人が死亡しているそうです。昨年の交通事故による死亡者数が約３，５００人ですので，喫煙がどれほど健康に有害かがわかります。
昨年，２０２０年開催の東京オリンピック・パラリンピックに向けて健康増進法の一部を改正する法律が制定され，望まない受動喫煙の防止を図るため，一定の場所を除き喫煙を禁止することとなりました。
今から２６年前，私が大分医科大学の外科学講座を担当するため大分に赴任した当時，病棟の医師が集まる部屋に行ってみると灰皿があり，吸い殻が沢山溜まっていました。それまでの勤務地では，少なくとも室内禁煙となっていましたので，教室の責任者として即座に病棟医員室，カンファレンス室，研究室の禁煙を徹底させました。今では関連の病院も含めて，教室出身者は全て非喫煙者になっています。本人はもちろん御家族も大層喜んでいるとのことです。
喫煙習慣は格段に多くの健康障害を起こします。本学では皆さんを煙の害から守るため，敷地内禁煙は勿論のこと，「職員の受動喫煙の防止等に関する規程」のもと，教職員の勤務時間内の喫煙を禁止し，教員の採用に当たって非喫煙者を優先することとしています。このように，本学は皆さんが健康で良い環境のもと勉学に励めるよう整備を進めてきました。
次に，先ほども話題にしました東京オリンピック・パラリンピック開催まで，５００日を切りました。今，世間では，競技スポーツが脚光を浴びています。
文部科学省の「スポーツ振興基本計画」において，「スポーツは，人生をより豊かにし，充実したものとするとともに，人間の身体的・精神的な欲求にこたえる世界共通の人類の文化の一つである。心身の両面に影響を与える文化としてのスポーツは，明るく豊かで活力に満ちた社会の形成や個々人の心身の健全な発達に必要不可欠なものであり，人々が生涯にわたってスポーツに親しむことは，極めて大きな意義を有している。すなわち，スポーツは，体を動かすという人間の本源的な欲求にこたえるとともに，爽快感，達成感，他者との連帯感等の精神的充足や楽しさ，喜びをもたらし，さらには，体力の向上や，精神的なストレスの発散，生活習慣病の予防など，心身の両面にわたる健康の保持増進に資するものである。」とスポーツの意義を述べています。
皆さんも，競技スポーツとまでいかなくとも，生涯スポーツとして，それぞれに合った運動を定期的に行う習慣を身に付け，一生健康に過ごすよう心掛けてください。
皆さんが今のうちに良い習慣を身に付け，有意義な学生生活を送り，やがて社会に大きく貢献する人材に育ってくれることを心から願って，私の告辞とします。
平成31年4月4日
大分大学長 北野 正剛
