国際交流大分大学海外事務所 活動報告vol.97

JST「さくらサイエンスプログラム」によるタイの高校生を受け入れました

 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)「令和4年度 国際青少年サイエンス交流事業(さくらサイエンスプログラム)」に本学が採択され、タイ王国の医学部進学者が多い理系の高校(バンコクのマヒドンウィッタヤヌソンスクール、プリンセスチュラポーンスクール)から、本学医学部の内田智久講師が中心となり、生徒13名と引率教員2名の合計15名を、11月28日~12月4日の間、受け入れました。
 本事業は、産学官の緊密な連携により、アジアを中心とする地域から優秀な青少年を日本に短期間招へいし、未来を担う青少年が科学技術の分野で交流を深めることを目指すものです。
 交流、研修の日程は以下のとおりでした。

1日目:福岡空港から大分へ移動 オリエンテーション
2日目:医学部歓迎行事、附属病院見学、外科基礎技術体験(消化器外科講座、外科糸結び、腸管縫合体験、腹腔鏡シミュレーター体験)
3日目:研究室でセミナー(感染予防医学講座、分子病理学講座)
4日目:大分舞鶴高等学校訪問(日タイのサイエンススクール交流)
5日目:九州電力株式会社新大分発電所見学、うみたまご見学
6日目:大分舞鶴高等学校との交流(海地獄見学、大分市内散策)
7日目:福岡空港から帰国

 コロナ禍により3年ぶりの対面実施となったさくらサイエンスプログラム。この間、ほとんどの国際的な交流は中止あるいはオンラインでの実施を余儀なくされ、特に若い世代への影響は大きいものがありました。彼らが高校生である期間は限られています。未来ある若者に「国際交流のチャンスを何とか提供してあげたい」との一心で、対面での実施を決断し、今回無事に受入れを行うことができました。
 今回受け入れた高校生は、久しぶりの対面での交流ということもあり、全てのプログラムに積極的に意欲を持って取り組んでくれました。渇望していた国際交流への気持ちが満たされていく様子は、受入れ側としても忘れ得ないものとなりました。
 招へい者は、初めての日本ということもあり、タイとの文化の違いに戸惑いながらも様々なことにチャレンジしました。生活そのものが文化体験となるよう、布団や温泉といった日本ならではの要素を取り入れたプログラムを通じて、一週間の滞在の中で多くのことを学び、経験しました。
 大分大学では、平成26年度から本事業によるタイ王国の高校生の受入れを開始し、今回で8回目です。招へい者を13校から各1名選抜する作業など、タイ教育省の全面的な協力を得て本事業を実施することができており、オリジナリティーの高いプログラムとの評価を受けています。大分大学としては、修了生とのコンタクトを継続し、日本での留学や就職などにつなげ、また、タイ教育省と連携しながら息の長い事業にしたいと考えています。本プログラムの修了生が日本とタイの懸け橋となって活躍してくれることを期待しています。

 大分大学バンコクオフィスでは、タイならびに周辺諸国での活動(研究、学生交流、その他)を支援しています。お気軽にバンコクオフィス(tomohisa@oita-u.ac.jp)までお問い合わせ下さい。
杉尾医学部長を囲んで
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外科基礎技術体験 消化器・小児外科学講座
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基礎医学セミナー 感染予防医学講座小林教授と
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大分舞鶴高等学校での習字体験
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