平成28年度 学長記者会見第129回学長記者会見

第129回学長記者会見

日時
2016-09-26
場所
大分県庁県政記者室
第129回学長記者会見

(事項1)国立研究開発法人日本医療研究開発機構
    平成28年度「未来医療を実現する医療機器・システム研究開発事業」において本学申請課題が採択

 国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下AMED)の平成28年度「未来医療を実現する医療機器・システム研究開発事業『認知症の早期診断・早期治療のための医療機器開発プロジェクト』」に本学医学部神経内科学講座 松原悦朗教授を研究開発代表者として申請した課題が採択されました。
 認知症の疾患修飾薬が未だ開発途上である現在,適切な時期に至適化された介入でその改善が望める生活習慣関連因子は認知症予防の観点から注目されています。
 本学では既に「これまで例のない連続的で定量的な日常生活行動解析を実現するリストバンド型生体センシング機器でヒトを科学し,認知症の発症危険因子や防御因子を発掘する」産学官連携探索研究を展開していますが,本研究は発掘した認知症の発症危険因子や防御因子を勘案した科学的根拠に基づく予測医療技術開発(認知症発症予測ソフトウエア開発)を実現し,広く国民に活用して頂けるような具体的な成果還元を目指しています。
 さらに,生体センシング機器自体を科学的根拠に基づいた個別化医療デバイスへと進化させ,その活用から産学官連携コホートを構成する個々の対象のリスク回避目的の早期認知症予防介入試験を開始することで,アドバイス型発症予防ソフトウエア開発も行い,認知症のパブリックヘルスプログラムの提供実現を目指しています。
 また,ヒトを観察する生体センシング機器として Beacon発信端末搭載リストバンド型生体センシング機器を活用し,安全を担保しつつ,問題行動である徘徊検知ケア支援技術を開発し,認知症のご本人や家族また地域社会に優しい社会構築へのサポート第一弾をご提供したいと考えています。TDK株式会社とタッグを組み,臼杵市と大分県の全面的な協力の下,事業化による研究成果の社会還元を目指しています。

 本事業(未来医療を実現する医療機器・システム研究開発事業)は今年度初めて公募が行われ,AMEDの定めた採択審査委員会において書類審査・ヒアリング審査の厳正な審査が行われた結果,本学と北海道大学の2機関の課題が採択されたものです。
 今後は,認知症に関する現状を踏まえ,認知症の診断・治療の更なる向上を目的として,既存診断機器の性能向上,科学的根拠に基づいた新たな診断支援機器・システムの開発,認知機能の改善・回復を促す医療機器・システムの開発を実施し,事業化へ移行可能なレベルを目指して研究開発が進められます。
(写真:説明する松原教授)

(事項2)官民協働海外留学支援制度「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」
    第2回留学成果報告会にて本学工学部学生が優良賞を受賞

 9月3日(土)に東洋大学白山キャンパスで開催された「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」第2回留学成果報告会において,本学からアメリカ合衆国に留学した工学部知能情報工学科の矢津田 昭仁さんが優良賞を受賞しました。
 トビタテ!留学JAPANとは,文部科学省により開始された,各分野で活躍する人や民間企業からの支援などにより,官民協働で「グローバル人材育成コミュティ」を形成し,将来世界で活躍できるグローバル人材をオールジャパンで育成する取組です。
 これまでに大学生1,933名,高校生814名を派遣しており,本学からは13名の学生を派遣しています。
 今回の留学生報告会では,派遣留学生146名(うち高校生10名)が参加し,それぞれの留学経験についてプレゼンテーションを行った結果,最優秀賞1名,優秀賞1名,優良賞6名が選ばれました。
 矢津田さんは大分県地域グローバル人材育成・定着協議会の支援の下,トビタテ!3期生地域人材コースの留学生として採択され,平成27年8月28日から平成27年9月29日までの間アメリカ合衆国UCデービス校に留学し,ベイエリア近郊のIT関連企業の調査研究を行いました。
(写真:報告をする谷津田さん)

トビタテ!留学JAPANホームページ:http://www.tobitate.mext.go.jp/

(事項3)第14回 医学部祭を開催

 本学医学部は,10月8日(土)・9日(日)の2日間,挾間キャンパスにおいて,学園祭である,第14回医学部祭を開催します。
 本学は,地域社会との連携協力を従来にも増して推進し,地域の活性化に貢献することを大学運営の基本方針としています。
 そのためには,教育研究面での連携協力はもとより,本学学生を含めた大学の全構成員が積極的に地域社会との交流を深めることが何よりも重要です。
 医学部祭の開催にあたり,本学医学部の学生が勉学やサークル活動等の多方面にわたる学生生活の一端を地域の皆さまに披露し,励ましとご助言をいただくことで,地域社会の一員としての自覚を深め,地域に根ざす大分大学の学生として,さらに成長・飛躍する機会となることを期待しています。
 なお,今年も医学部祭の企画として,本学医療従事者による県民公開講座(無料)を開催する予定です。

詳細はこちら

その他の情報

(事項1)平成28年度 秋季入学式について

 本学では,秋季入学式を挙行いたします。
 入学予定の学生は,
 1.医学部医学科2年次後学期学士編入 9名
 2.大学院経済学研究科博士前期課程 10名
 3.大学院医学系研究科博士課程 5名
 4.大学院工学研究科博士後期課程 2名
 以上26名です。

■開催日時:平成28年10月3日(月) 8:30~
■開催場所:大分大学事務局第2会議室(旦野原キャンパス)

(事項2)平成28年度 大学改革シンポジウム開催

 大分大学が主催し,国立大学協会が共催の大学改革シンポジウム「大学が変わる~大分大学が変わる~教育が変わる」を大分大学旦野原キャンパス福利厚生施設「B-Forêt (ビ・フォーレ)」で開催します。
 明日の日本を担う人材を育てるために,大学教育,高校教育が一体となった教育改革が行われています。特に,高等学校での学びを大学にスムーズに接続し,大学教育を充実させる高大接続がより一層重視されています。そのための手段として入試制度も大きく変化します。
 このような教育改革の必要性とその内容を,文部科学省から講師を招き、大分県内の高等学校教員、生徒,保護者,一般の方々に広くお知らせするとともに,本学からは,新しい学部がどのような人材を養成するのか,どのような人材を求めているのか,そのためにどのような入試を行うのかについて説明します。
 さらに,大分県内高等学校における学びをどのような形で本学の学びにつなげていくかといった観点から,高等学校での学びと本学での学びをどのように接続し,深めていくかという観点からパネルディスカッションを行います。

<プログラム>
1.開会挨拶 13:00~13:10
大分大学長  北野 正剛
2.基調講演 13:10~14:10
演題:高大接続改革~大学教育,高校教育,入試はどう変わっていくのか
講師:文部科学省高大接続プロジェクトチーム・高等教育局高等教育企画課課長補佐 小笠原 千寿氏
3.講演 14:10~15:00
演題:大分大学の新しい学部と養成する人材像・求める人材像
講師:大分大学副学長(教育改革担当) 望月聡
【15:00~15:20 休憩】
4.パネルディスカッション 15:20~17:00
「取組事例紹介」(20分×3)
テーマ:大分県の高校が目指す教育、大分大学が目指す教育
~どのように接続し,どのような学びを深めるかアクティブ・ラーニングの視点から~

<パネリスト>
1.大分県教育庁 教育次長 岩武 茂代 氏
2.大分大学福祉健康科学部長 衣笠 一茂
3.大分大学COC+専任教員 中川 忠宣
ファシリテーター:大分大学副学長(教育改革担当) 望月聡

(事項3)医学部放射線医学講座 森 宣教授が
    「ドミニカ共和国 最高国民栄誉賞Duarte-Sanchez-Mella賞」を受賞

 中⽶ドミニカ共和国で22年にわたりJICA専⾨家として医療分野を⽀援してきた,医学部放射線医学講座の森 宣 教授が,このたび同国で最⾼位となる「最⾼国⺠栄誉賞Duarte-Sanchez-Mella(ドゥアルテ・サンチェス・メジャ記念栄誉賞)」を受賞しました。
大分大学医学部は,1989年から2010年まで中米カリブ地域対象画像診断技術向上研修(第三国研修)のJICAが実施する3プロジェクトに延べ200人を超える専門家をドミニカ共和国に派遣してきました。
 森教授が率いる放射線医学講座・放射線部は,医学教育プロジェクトと中⽶カリブ地域対象画像診断技術向上研修(第三国研修)の中⼼的存在として参加し,また,2005年から毎年2~3⼈の講師を独⾃に派遣し,ドミニカ共和国の医療関係者の能⼒向上を継続的に⽀援しています。
 中米ドミニカ共和国で22年にわたりJICA専門家として医療環境の改善とレベルアップに継続して取り組んできたこと,またドミニカ共和国の医療環境,社会を支援し続けてきたことに対して,ドミニカ共和国の独立戦争時の建国の祖である3人の名前を冠した同国最高の栄誉を讃える賞が与えられました。
 森教授の受賞を記念して,受賞記念講演および受賞記念祝賀会を10月4日(火)に大分オアシスタワーホテルで開催します。
(写真:ドミニカ共和国で行われた受章式の様子)

(事項4)第6回 大分大学医学部中塚医学賞の表彰式及び受賞者セミナーを開催

 第6回大分大学医学部中塚医学賞の表彰式及び受賞者セミナーを下記のとおり開催します。
 本賞は平成23年度に創設された,医学部の前身の大分医科大学初代学長,中塚正行氏(故人)の名を冠した大分大学医学部研究表彰であり,大分大学医学部における若手研究者の研究の活性化及び進展を図ることを目的として設けられました。
 第6回中塚医学賞の受賞者は,生命科学・医学専門分野の4名に決定しました。表彰式は,10月3日(月)に医学部臨床大講義室において実施します。

■受賞者(生命科学・医学専門分野)
循環器内科 病院特任助教 近藤秀和
薬理学講座 特任助教 山岡真美
皮膚科 助教 酒井貴史
高度救命救急センター 助教 平塚孝宏

■表彰式および受賞者セミナー
日時:10月3日(月) 18:00~
場所:医学部臨床大講義室
プログラム
18:00~18:05 医学部長挨拶
18:05~18:10 中塚医学賞審査委員長講評
18:10~18:15 表彰式(医学部長)
18:15~18:30 発表1(近藤秀和)
18:30~18:45 発表2(山岡真美)
18:45~19:00 発表3(酒井貴史)
19:00~19:15 発表4(平塚孝宏)

(事項5)国際医療機器創出促進基盤棟事業/東九州メディカルバレー構想推進事業
    セミナー「ALL Japanでの医療機器開発支援体制づくりをめざして」開催

 医学部附属臨床医工学センターでは,10月6日(木)にセミナーを開催します。
 東九州メディカルバレー構想では,大分県・宮崎県の産学官連携による,医療機器開発・研究,行動医療人材育成,アジアに貢献する拠点づくりを推進しています。また,国産医療機器創出促進基盤整備事業においては,地場産業が新規医療機器開発に参入するための様々な支援を行っています。
 今回のセミナーでは,特別講演・シンポジウムを通して,All Japanで事業を進めるためにどのような連携をしていけばよいのかを行政及びものづくりの企業等も参加し討論します。
 翌日の10月7日には医療機器開発ビジネス個別相談会を開催します。

詳細はこちら

(事項6)平成28年度「ひらめき☆ときめきサイエンス ~ようこそ大学の研究室へ~KAKENHI」事業開催

(1)「実験と工作で体験するカオスと液晶の科学」
(2)「アジアの染織刺繍にまつわる生活科学(ブータン・雲南省・ミャンマー)」


 この「ひらめき☆ときめきサイエンス~ようこそ大学の研究室へ~KAKENHI」事業は,独立行政法人日本学術振興会が科学研究費補助金による研究成果の社会還元・普及事業として公募しているもので,今年度は昨年度に続いて,教育学部の都甲由紀子准教授と,工学部の長屋智之教授の企画が採用されました。
 長屋教授は,高校生を対象にした実験教室「実験と工作で体験するカオスと液晶の科学」を開催します。
 都甲准教授は,高校生を対象に,ブータン・雲南省・ミャンマーに住む民族の衣生活は現代でも伝統的染織刺繍技術に支えられています。それらを染色と刺繍の実習中心に体験的に学ぶプログラムを実施します。

詳細はこちら

(事項7)お湯で動く機械(スターリングエンジン)が全国から大分に集まり競技会を開催

 自作のお湯で動く機械(スターリングエンジン)を披露し競う催し「第6回低温度差スターリングエンジン競技会・発表会」を,ホルトホール大分エントランスホールを会場に,本学の共催で10月15日に開催します。
 自作の低温度差スターリングエンジンを披露し,世代や立場の異なる人と交流する機会です。
 この競技会は小規模ながら出品者は幅広く,年齢層は小学生・学生から社会人まで,居住地は大分県以外に関東など多様です。大人も子供も加工のプロや研究者も同じ条件で競います。
 本学でも,工作教室で小学生が作品を作り,また女子学生も私費を投じて現在工作中です。
 本学の加藤助教は,DIYを始めるキッカケとしても,スターリングエンジンの工作を推奨しています。その工作の経験と道具でDIYが始められます。予算の支援は行うことができませんが,出品希望者に製作方法をお教えします。

【Jr.サイエンス事業とは?】
Jr.サイエンス事業は,近年の青少年の「科学技術離れ」,「理科離れ」,「ものづくり離れ」及び「技能離れ」などに対応するため,小・中学生の早い段階から,大学等の高度な教育機関において,科学技術やものづくりなどへの興味関心を抱く動機付けを与えるとともに,何かを作り出す喜びや完成した時の達成感等を味わい, プロセスの大切さやものづくりの重要性,技能・技術を身に付ける喜びを理解してもらうような様々なプログラムを提供するものです。

■参加申込期限:平成28年10月2日(日) 定員15組
■競技会・発表会:平成28年10月15日(土)
10:00~ 出品者による組立と調整
13:00~ 動作実演
      展示・コーヒーブレイク

(事項8)学生による大分大学活き2プロジェクト実施

 本事業は,学生自身が企画・運営する地域交流事業「大分大学活き2プロジェクト2016」に採択された企画です。

(1)「親子でつくるものづくり講座」
 昨今の理系離れの対策として,子供のうちから「ものづくり」への興味・関心を育むため,小学生を対象とした「ものづくり体験講座」を開催します。
 小学生が,できる限り自分たちの手で作品を組み立てられるような工夫を凝らします。ハンダゴテ等,普段使わない道具を体験することができます。

<スケジュール>
・10月15日(土),16日(日)
ものづくり展2016(主催 大分市工業連合会青年部)に12月の工作イベントで作成するクリスマスツリーを出展予定
場所:大分市コンパルホール
・12月11日(日)(予定)
冬の工作イベント「親子でクリスマスツリーを作ろう!(仮)」
場所:大分大学産学官連携推進機構セミナー室(旦野原キャンパス)

(2)「見つけて!発信!地域の魅力in大分 ~つくつく創ろう津久見全開プログラム~」
 「まだ知られざる大分の魅力を世界へ」をテーマとして掲げ,大分大学で学ぶ留学生ならびに日本人学生に,温泉以外の大分の魅力を知ってもらい,母国や知人にそれらの魅力を発信することで,地方の活性化を図ります。このプロジェクトはGlobal Crew(留学生の生活・学業を支援する学生ボランティア団体)のメンバーを中心に企画と運営を行います。
 事前に学習会を実施した上で,津久見市のつくみイルカ島,ふるさと振興祭の様子,セメント山等を見学し,地域の人々や津久見市に関する興味深い点や改善できる点を話し合い,それ らをまとめて発表します。最終的にはインターネットを利用した情報発信も計画しています。
 活動を通して地域の人と交流することで,ホームページ作成時によりリアルな記事の作成にもつながり,地域の方々に発表会への参加を促す機会になると考えます。

<スケジュール>
ふるさと振興祭参加 平成28年10月23日(日)
成果発表会 平成28年11月6日(日)

(事項9)本学関係学会開催情報

 本学教員が大会会頭・大会会長を務める学会の開催についてお知らせします。

(1)日本食糧・栄養学会九州・沖縄支部大会
(2)日本臨床細胞学会秋期大会

詳細はこちら