国際交流大分大学海外事務所 活動報告vol.4

チュラポーンスクール訪問

 9月15日,16日,タイ南部のナコンシータマラート県とトラン県のチュラポーンスクールに,本学内田助教が在タイ日本国大使館寺島一等書記官とともに訪問しました。本学医学部は,JSTさくらサイエンスプランの支援により,チュラポーンスクールの学生の短期研修を受け入れています。
 今回の訪問は,チュラポーンスクールの視察と,本学のプロモーション,さくらサイエンスプランの説明を目的とし,タイ教育省,在タイ日本国大使館のアレンジにより実現しました。
 チュラポーンスクールはタイの中高一貫のサイエンススクールで,タイ全土に12校設立されています。理系科目が充実しているのはもちろん,日本語教育にも力を入れているのが特徴の一つです。
 日本語クラスの視察では,日本から派遣された「日本語パートナーズ」が,タイ人の日本語教師と共に楽しく飽きさせない授業を行っていました。「日本語パートナーズ」は国際交流基金アジアセンターが2014年度より開始した事業で,日本語教師のアシスタントをASEAN諸国の高校に派遣するものです。

 今回訪問した2つの学校は,いずれも日本語パートナーズが派遣されており,一人は大学を休学して日本語パートナーズに参加している女子学生でした。二人ともタイの先生方に非常に大切にされており,活き活きと活動している姿が非常に印象的でした。興味のある本学学生さんは,バンコクオフィス(tomohisa@oita-u.ac.jp)までご連絡下さい。
 午後は,寺島書記官が日本国政府の提供する奨学金についての説明,内田助教が本学の紹介と本学におけるさくらサイエンスプランの紹介を行いました。
 その後,内田助教がタイをフィールドとして行っているヘリコバクターピロリ(ピロリ菌)の研究について,
「Helicobacter pylori and Gastric Cancer in Asia」と題して高校生全校生徒に対して特別講演を行いました。アジアの胃がんの疫学と,ピロリ菌のタイの疫学について最新のデータを元にした講義です。
 ピロリ菌の疫学研究はタイ全土17県1,546患者を対象とし,日本と比較してタイの胃がんが少ない理由とタイの中でも南部で胃がんが少ない理由を明らかにしたものです。今年8月に論文として発表した最先端の内容で,英語での講演にも関わらず,熱心に聴講し,多くの質問も寄せられました。
 トラン県のチュラポーンスクールでは,講演直後に生徒代表が講演内容をタイ語で要約してくれ,チュラポーンスクールの生徒のレベルの高さが垣間見られました。
 今回の訪問に対して,チュラポーンスクールならびにタイ教育省から篤い感謝の言葉を頂きました。さくらサイエンスプランによる本学への訪問が長く続き,本学への留学生が生まれることを願っています。

 大分大学バンコクオフィスでは,タイならびに周辺諸国での活動(研究,学生交流,その他)を支援しています。お気軽にバンコクオフィス(tomohisa@oita-u.ac.jp)までお問い合わせ下さい。
トラン校でPongpisak校長,<br>寺島在タイ大使館一等書記官と内田助教
トラン校でPongpisak校長,
寺島在タイ大使館一等書記官と内田助教
ナコンシータマラート校で<br>Phairat校長に本学の記念品を贈呈
ナコンシータマラート校で
Phairat校長に本学の記念品を贈呈
ナコンシータマラート校で理科の授業風景
ナコンシータマラート校で理科の授業風景
トラン校で「胃がんとピロリ菌の疫学」について<br>講演する内田助教
トラン校で「胃がんとピロリ菌の疫学」について
講演する内田助教
トラン校で講演後に全校生徒と記念撮影
トラン校で講演後に全校生徒と記念撮影