お知らせ令和6年度4月学長記者会見

令和6年度4月学長記者会見

日時
2024-0417
場所
県庁記者会見室
令和6年度4月学長記者会見

▲説明をする北野学長

【事項1】北野正剛学長が米国外科連盟の名誉会員に選出

2024年4月4日、アメリカ合衆国ワシントンD.C.で行われた米国外科連盟(American Surgical Association、以下ASA)総会にて、大分大学北野正剛学長が米国外科連盟のHonorary Fellowship(以下、名誉会員)に選出されました。
米国外科連盟は1880年に創立され、144年の歴史を誇るアメリカ合衆国で最も歴史が古く権威のある外科連盟で、会員には国際的に有名な外科医が所属しており、学会員は米国全土で約1,000名になります。
北野学長が選出されたASA名誉会員は世界で90名、今回の選出者を含め、日本人としては現在、9名のみの大変貴重な称号です。
今回の選出は、北野学長が長期にわたり内視鏡外科医学の臨床・研究に取り組み、数々の顕著な業績を挙げ、日本国内のみならず、国際的にも消化器外科領域における内視鏡外科医学の充実・発展に寄与した功績が評価されたものです。
北野学長は、4月4日~6日にワシントンD.C.のグランド ハイアット ワシントンで開催された 144 回 ASA 年次総会に出席し、4日の開会式にてASAのスティーブン・C・ステイン会長より名誉会員として紹介され、挨拶を行いました。総会には世界各国から約700名が出席し、その後の昼食会で、各国から出席した名誉会員の医師らと交流を深めました。
さらに、4月5日、6日にはフォーラムとディスカッションが実施されました。

■ASA名誉フェローシップ選考基準
1)名誉会員候補は外科医として広く長く国際的に貢献し価値が高いこと
2)推薦者は、名誉会員委員会のメンバーであること、理事会で検討審議し決定すること、指名された名誉会員は年次総会に参加できること

■北野正剛学長の主な功績(評価理由)
消化器外科領域、特に内視鏡外科においては技術・教育・研究ともに日本のみならず、世界のリーダーとして長年にわたり活躍している。主な功績(評価理由)は以下のとおり。

【評価理由】
・内視鏡外科医としてのパイオニア。
・ISS/SIC(万国外科学会)での日本支部長としての活動(2015-2018)
・腹腔鏡による胃切除術は1991年(平成3年)に世界で初めて成功させた。
・消化器外科領域(特に内視鏡外科)においては技術・教育・研究ともに日本のみならず世界のリーダーとして長年活躍。
・多くの日本や世界の医学会のおいてリーダーの立場。
・第11回世界内視鏡外科学会(2008年)会長として学会を成功させた。
・IFSES(国際内視鏡外科連合)の会長(2012-2014)
・A-PSDE(アジア太平洋消化器内視鏡学会)の会長に就任し、約8,000名の医師を教育(2014-)
・Annals of Surgery(米国外科学会の公式機関紙。世界で最も頻繁に参照・引用されている外科学雑誌)の編集委員を務める(2005-2021)
・経歴に加えて、国際的にも紳士的に円滑にコミュニケーションが取れる立場。
総合的に;長年内視鏡外科医学の臨床・研究に取り組み、数々の顕著な業績を挙げ、日本国内のみならず、国際的にも消化器外科領域における内視鏡外科医学の充実・発展に寄与した功績が評価された。

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【事項2】大分大学初のクラウドファンディングで目標達成! ~温かいご支援ありがとうございました~

大分大学は2024年2月1日から3月29日に“小さな生命の健やかな発達を目指して。医療者に学びの機会を提供したい”と題したクラウドファンディングを実施しました。本プロジェクトは、新生児乳児の神経発達予後予測に有用とされている自発運動(GMs)評価の評価者養成を目的とするものです。寄付は大分県内を中心に全国各地から、医療者だけでなく患者様のご家族からも寄せられ、目標金額を大幅に上回る632万円の寄付が集まりました。
評価法の普及への期待が大きいことがクラウドファンディングを通じて明らかとなりました。大分大学小児科学講座では、従来からGMs評価に関する臨床研究や普及活動を行っており、今回のクラウドファンディングの成功を機に、さらに精力的に評価の普及を目指した活動を継続していきます。

General Movements(GMs)とは新生児乳児に認められる自発運動であり、その動きの質を評価することは脳性麻痺などの神経学的予後を予測することに有用とされています。侵襲が少なく実施でき、発達の遅れのリスクがある児の早期療育介入につながる重要な評価法です。しかしながら、日本では評価法の講習会を受ける機会がほとんどないため評価が普及していません。
クラウドファンディングの成立を受けて、2024年12月に評価者養成法基礎コース講習会の開催を決定し、既に全国より参加申込みが届いています。
今回のクラウドファンディングにより目標以上の寄付が集まったので、来年度以降に評価法のアドバンスコース開催資金も確保できました。アドバンスコースは基礎コース講習会修了者を対象とし、評価精度の維持や詳細なスコアリングを目的とする講習会です。本プロジェクトが実行できて、アドバンスコースの修了者を20人育成できれば、大分県はもとより、全国各地にGMs評価を行う体制が構築できます。

大分大学クラウドファンディング(READYFOR)
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【事項3】本学申請課題が令和6年度AMED創薬総合支援事業に採択
 ~特発性肺線維症(指定難病)の新薬開発を目指す~

本学の申請課題が令和6年度AMED 創薬総合支援事業(創薬ブースター)に採択されました。
・課題名:「線維化シグナリングを標的とした新規肺線維症治療薬の検証」
・目標:特発性肺線維症の創薬
・応募件数:62件・採択件数:15件

特発性肺線維症は、進行性の肺線維化により、肺組織が固くなり、肺の容積が縮んでいく呼吸器疾患で、発症原因は不明です。診断されてからの平均生存期間は3~5年しかなく、生存期間を延長しうる新薬の開発が求められています。患者数は、日本全国で1万3千人程度と推測され、厚生労働省の指定難病になっています。
本採択課題において、特発性肺線維症の創薬を行います。本疾患では、TGF-β信号伝達により、肺線維芽細胞から産生されたコラーゲンが細胞の外側に沈着して、肺組織が硬くなります。
まずは、化合物ライブラリーから、肺線維芽細胞からのコラーゲン産生を抑制する化合物を選出しました。さらには、肺線維症モデルマウスに対する化合物の投与実験により、生体内で肺線維化を抑制する化合物を厳選しました。この厳選された化合物は、これまでに報告のない作用機序でTGF-β信号伝達を抑制している可能性があります。本採択課題において、この化合物の薬理作用を明らかにします。
本課題の魅力は、「既存治療薬とは全く異なる機序で肺線維化を抑制することで、従来の治療薬より優れた効果をもつ新薬開発につながる可能性があること」です。
将来的には、患者さんの生存期間延長に貢献できるよう、企業と提携して、特発性肺線維症の新規薬剤の開発を目指しています。

※AMED:国立研究開発法人日本医療研究開発機構
医療分野の研究開発およびその環境整備の中核的な役割を担う機関として、2015年4月に設立された国立研究開発法人。基礎から実用化までの一貫した医療研究開発の推進と、その成果の円滑な実用化を図るとともに、研究開発環境の整備を総合的かつ効果的に行うための様々な取組を行う。


・実施時期:令和6年4月1日~令和7年3月31日
・事業費:約800万円

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【事項4】国家試験合格率(福祉健康科学部・医学部)
 ~精神保健福祉士・公認心理師・保健師で新卒合格率100%を達成
 社会福祉士・医師の新卒合格率が九州内の大学で第1位~

(1)福祉健康科学部 国家試験結果
本学福祉健康科学部の令和6年3月卒業生は、精神保健福祉士の国家試験において、受験者全員が合格し、合格率100%を達成しました。精神保健福祉士は11年連続合格率100%を達成しています。
さらに、本学大学院福祉健康科学研究科の令和6年3月修了生は、公認心理師(※)の国家試験において、同じく受験者全員が合格し、合格率100%を達成しています。
また、社会福祉士の国家試験の合格率は93.5%で、九州内の大学で1位です。

※公認心理師…2017年施行の公認心理師法により、心理職初の国家資格として新設された資格。受験資格要件として大学及び大学院にて所定科目を修了する必要がある。(認定施設での実務経験が2年以上ある場合は大学院の修了要件はなし)



・精神保健福祉士は厚生労働省発表の「保健福祉系大学等ルート(保健福祉系大学等)」の新卒合格率
・公認心理師は厚生労働省発表の「受験区分A」の新卒合格率
・社会福祉士は厚生労働省発表の「福祉系大学等ルート(福祉系大学等)」の新卒合格率
・理学療法士は厚生労働省の発表による新卒者の合格率


(2)医学部 国家試験結果
本学医学部の令和6年3月卒業生は、医師国家試験の新卒合格率において、九州内の大学(国公私)の大学で1位・全国で9位、保健師国家試験において、受験者全員が合格し、合格率100%を達成しました。

その他の情報

【事項1】令和5年度卒業式・学位記授与式及び令和6年度入学式の挙行報告

大分市のJ:COMホルトホール大分において,令和6年3月24日(日)に令和5年度卒業式・学位記授与式を,令和6年4月2日(火)に令和6年度入学式を挙行しました。今回は、学生サークルによる演奏、国歌および学歌の斉唱や、手話通訳も行い、式の様子は本学ホームページでLIVE配信を行いました。

詳細はこちら(令和5年度卒業式・学位記授与式)
詳細はこちら(令和6年度入学式)

【事項2】学生災害ボランティア講習会の開催

学生・留学生支援課と減災・復興デザイン教育研究センターセンター(CERD)では,災害復旧における学生ボランティアの育成事業として、「学生災害ボランティア講習会」を定期的に開催しています。
本学学生が実際に被災地へ災害ボランティアとして参加・活動をするにあたっては、本講習を毎年受講することが条件となっています。今年度は、以下の講習会を予定しています。(対象:大分大学の学生・大学院生(学部不問))

(1)スーパーボランティア尾畠春夫さんによる「土のうつくり講座」
 開催日時:令和6年5月22日(水)16:30~18:00(予定)
 開催場所:研究マネジメント機構棟

(2)「災害ボランティア講習会」
 開催日時:令和6年5月29日(水)時間未定
 開催場所:旦野原キャンパス講義室・挾間キャンパス講義室(予定)

【事項3】公開授業案内(令和6年度前学期)

大分大学公開授業では、一般市民を対象に大分大学の学生が受講する大学の正規の授業を開放します。

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【事項4】広報誌「BUNDAI.OITA」第66号発行 ~グローバルな挑戦~

特集:「グローバルな挑戦」
今号は、国際色豊かな大分大学の教員や学生たちのグローバルな挑戦をお届けします。

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