大学概要平成31年 学長年頭の挨拶

平成31年 年頭の挨拶

 明けましておめでとうございます。
 教職員の皆様方におかれては,晴れやかな新年を迎えられたことと思います。
 平成31年の「仕事始め」に当たり,年頭の御挨拶を申し上げます。

 まず最初に,昨年11月20日に国立大学法人評価委員会から,平成29年度に係る業務の実績に関する評価結果が届きましたので紹介します。
全体評価としては,目標に沿って計画的に取り組んでいるとの評価を受けています。
 また,項目別評価のすべてが6段階評価の上から3番目の評定4で,「中期目標・中期計画の達成に向け順調に進んでいる」との評価であり,とりわけ平成29年度の女性教員比率が前年度から増加していること,社会福祉士,精神保健福祉士の合格率が全国トップランクを達成したこと,「大分大学減災・復興デザイン教育研究センター」を設置し,各学部・センターや国・自治体等との連携を図りながら取組を行っていることが注目されるものとして評価を受けています。
 そして,「附属病院関係」では,「日露内視鏡協力トレーニングセンター」を設置し,国際交流を通じた医療人材の育成に努めていること,総合患者支援センターの退院支援に関して,看護師及びメディカルソーシャルワーカーと地域の医療機関や介護支援専門員との間で連携体制を構築していること,九州北部豪雨の被災地へ医療支援チームと災害医療コーディネーターを派遣し,避難所での診療やアセスメントを実施するなど,地域の基幹拠点病院としての役割を果たしていることが注目されるものとして評価を受けています。

 本学としては,これからも第3期中期目標・中期計画の達成に向けて,年度計画を着実に実行し,成果を出していく必要があります。第3期中期目標・中期計画には,数多くの数値目標を掲げています。これらを着実に実行し達成するためには,教職員の皆さんの理解と協力が不可欠です。

 次に,同じく昨年の11月26日付けで中央教育審議会から,「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン」という答申が出されました。これは,平成29年3月に文部科学大臣から諮問された「我が国の高等教育に関する将来構想について」に対する答申です。
 この中で「複数の大学の人的・物的リソースを効果的に共有すると同時に教育研究機能の強化を図るため,一法人一大学となっている国立大学の見直し,私立大学における学部単位等での事業譲渡の円滑化,国公私立の枠組みを越えて大学等の連携や機能分担を促進する制度の創設」について書かれています。
 今後の18歳人口の推移などに留意しつつ,時代や社会のニーズを踏まえた改革を行っていかなければなりません。

 さて,話は変わりまして,テレビのニュースで御覧になった方もいらっしゃると思いますが,昨年の12月11日に総務省九州管区行政評価局から,既に敷地内全面禁煙を実施している本学と敷地内全面禁煙とする計画を策定・公表している九州大学及び長崎大学を除く4つの九州地区の国立総合大学に対して,受動喫煙防止対策の推進についての「あっせん」がありました。これは,「通学している大学の喫煙所から流れ出てくるたばこの煙が不快である。大学が受動喫煙防止対策を徹底するようにしてほしい。」という行政相談に基づき,総務省九州管区行政評価局が実地調査を行った結果によるもので,本学でも昨年の6月14日に調査がありました。この「あっせん」の中で,本学の取組が約1ページにわたり紹介されています。その内容は羽野前学長のもと平成23年4月から全キャンパス敷地内禁煙となった経過とその後私自身が取り組んだ事柄です。大学が禁煙治療費を支援していることや勤務時間内喫煙禁止とした受動喫煙防止規定のことが記載されています。実際に挟間キャンパスで平成19年1月より始まった敷地内禁煙から10年が過ぎ,旦野原キャンパスの喫煙者も最近5年間で男性5.7%,女性0.6%,全体で3.9%とほぼ半減しています。これも私の学長就任に当たって誓った学生に付加価値をとのポリシーに基づき,健康意識の向上に役立っていると自負しています。
 折しも2020年東京オリンピック開催にあたりWHOとIOCの協定に基づき健康増進法の改正が行われ,かつ東京都では国より厳格な規定を盛り込んだ受動喫煙防止条例が施行されることや,同様の動きが全国各地の地方自治体に波及している流れの先取りになったと思っています。
 今後とも教職員の皆さんの健康増進のためにも,喫煙者ゼロを目指したいと思っていますので更なる御協力をお願いします。

 最後になりますが,目に見える改革を実行するには国や地域社会の皆様の御理解と御協力が必要ですが,とりわけ,教職員の皆さんの理解と協力無くして改革は実現できません。
 私も,これまでの大学運営の状況等を踏まえ,より一層,教職員の皆さんとの情報共有を図り,「開かれた大学運営」を実現するよう,努めていきたいと考えています。
 大分大学が常に多くの高校生から選ばれ,その保護者から理解され,地域社会からも信頼される,より魅力ある大学となるために,教職員の皆さんも今年一年間,それぞれの立場で活躍していただくよう,心から期待しています。  以上,新年に当たっての,私の挨拶とします。


   平成31年1月7日
 
大分大学長  北野 正剛