大学概要令和5年度 入学式 告辞

学長メッセージ

令和5年度 入学式 告辞

新入生の皆さん、大分大学への入学、おめでとうございます。
また、ご家族や関係者の皆様方に対しまして、心よりお祝い申し上げます。

本年は、1,114名の学部生、233名の大学院生、計1,347名を新しく大分大学の一員として迎えることができました。教職員一同大変うれしく思うと同時に、皆さんへの教育や研究指導に対する責任感、使命感を感じています。

皆さんにとって、この3年間は、新型コロナウイルスの影響で社会生活が一変したことにより、学習環境や部活動などにおいても様々な制限が課されるなど、戸惑うことが多かったと思います。
しかし、皆さんが本日この場にいるということは、自らの努力によりコロナ禍という困難を乗り越えた結果であり、本日を迎えることができたことに、大きな自信を持ってください。そして、この大きな自信を胸に抱いて、大学生活をスタートさせてほしいと思います。
本日の入学式は、4年ぶりに保護者の皆様にも御出席いただき、また、学生サークルによる国歌、学歌の演奏、斉唱を再開しました。さらに、キャンパスにおける様々な制限も緩和、解除し、皆さんが従来のキャンパスライフを送れるよう全力で支援していきます。
学生の活気に満ち溢れたキャンパスが戻ってくることを楽しみにしています。

さて、大分大学は、現在5つの学部と5つの研究科を擁する総合大学で、約5,400名の学生が学んでいます。
私は、学長に就任して以来、「改革なければ明日はない」という固い決意のもと、大分県唯一の国立大学としての使命を果たすべく、社会のニーズを踏まえた改革に取り組んできました。
平成28年に福祉健康科学部を設置しました。工学部は理工学部への改組を経て本年4月から1学科9プログラムへと進化しました。
また、同じく本年4月に医学部に先進医療科学科を新設し、領域を超えた幅広い知識や技術及び研究力を持ち、医学・医療に精通した研究者や病院・医療産業界で活躍する人材の育成を始めます。
特に第1期生として入学する皆さんには、新たな学科の歴史の礎を築くという気概を持ち、頑張ってほしいと思います。
さらに、来年度以降も経済学部の改組や、福祉健康科学部のカリキュラム改編も予定しています。

このように、これからも皆さんが学びたいものを学べる環境作りに全力で取り組みますので安心して勉学に励んで下さい。

さて、皆さんが大分大学で学生生活を始めるにあたって、私から3点伝えたいことがあります。

一つ目は、健康であることをいつも心掛けてほしいということです。学習でも課外活動でもその他の社会活動でも、物事に取り組むには気力も体力も必要です。心身ともに健康であってこそ没頭することもできます。
特に喫煙は、本人だけでなく、まわりの人にも深刻な健康被害をもたらすことが明らかです。
本学は全国に先駆け、平成23年4月から全キャンパスを敷地内全面禁煙とし、学内の無煙環境の構築を積極的に推進し、ここ10年で教職員、学生の喫煙率は大幅に低下しました。
これからの長い人生を楽しく健康で過ごすためにも、例え先輩等から勧められても決して手を出さないようにしてください。

二つ目は、明確な目標を持って大学生活を送ってほしいということです。
大学は、社会に出る前の大事なステップですが、大学生活はあっという間に過ぎ去ります。
目標なしに過ごすと、何も身につけることができず、大学生活が終わってしまいます。
皆さんの可能性は無限大です。
自分自身の可能性を信じ、将来の大きな夢を描いてください。それを実現するために大学生活で何をすべきかをよく考え、それに向かって一生懸命に取り組むことが大切です。そのために、我々、教職員も全力でサポートします。

三つ目は、多くの人との出会いを大切にして、大いに語り合ってほしいということです。
ここにいる皆さんは、世界に多くの人がいる中から、天文学的確率で、大分大学というフィールドで人生のある期間を共に過ごすことになった仲間です。学部や学科の枠を超え、たくさんの友人や教員と出会い、親交を深めてほしいと思います。
今までの人生では出会うことのなかった人に接することで、良い刺激を受け、価値観や世界観が広がり、自分を高めることができます。
また、自分だけでは考えられなかった視点を見出すこともあると思います。
皆さんの人生は多くの人々に支えられながら進んでいくものです。大学生活の様々な活動を通じて、多様な人間関係を学ぶことは大切な意味を持っています。

ここで以前、私が学外の、ある教授退任祝賀会の挨拶で紹介した言葉を送ります。
「人生の交差点」という言葉です。

The new encounter is the intersection of life. It gives us many possibilities for the way that we walk. Sometimes our lives may change drastically with a simple encounter. It may be attractive because there is no prediction on the future. That’s why the encounter is wonderful. I’m truly glad that I could meet you.Thank you for wonderful encounter.

新しい出会いは、人生の交差点です。それは、私たちの歩む道に多くの可能性を与えてくれます。何気ない出会いで人生が大きく変わることもあります。未来が予測できないからこそ、魅力的なのかもしれません。だからこそ、出会いは素晴らしい。あなたに出会えて本当によかった。素敵な出会いをありがとうございました。

といえるような出会いを願っています。

大学は「学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を発展させる」ことを目的としています。答えのない世界において、問題意識を持ち、自分自身で課題を設定し、様々な知識を身につけながら、同時に教授や学生と深く議論し、答えを追求していく能動的な学びが主体となります。
学問に向き合い、様々な活動を通して困難を乗り越え、さらに成長することを期待します。
「学生」とは、その字のとおり「生きることを学ぶ」という意味でもあると思います。大学生活はこれから先の生き方を定め、人生の土台を作る重要な時期です。
皆さんが、健康で充実した実り多い学生生活を送り、この学び舎を巣立つときに、自分自身の夢に向かって、飛び立つための強靭な翼を携えていることを願って、告辞といたします。



 令和5年4月4日

大分大学長 北野 正剛