大学概要令和7年度入学式告辞

令和7年度入学式 告辞

令和7年度入学式 学長告辞

新入生の皆さん、本日は大分大学への入学、誠におめでとうございます。
また、今日まで皆さんを温かく支えてこられたご家族や関係者の皆様に、心からお祝い申し上げます。
本年は、1,191名の学部学生、238名の大学院生、計1,429名を新しく大分大学の一員として迎えることができました。
教職員一同、皆さんの入学を歓迎いたします。

ステージ上には大分大学の学章、シンボルマークを掲げています。まず、この意味をご紹介します。「OITA」と「UNIVERSITY」の頭文字の「O(オー)」と「U」をモチーフにしていますが、「O(オー)」の青色は、知性、誠実、探求心、自立心を表す色とされており、「U」の黄色は、希望、成長、幸福を象徴する色とされています。大学の未来が希望にあふれ、光り輝き、そして発展していくようにと願いを込めて定めたものです。

大分大学の歴史は昭和24年までさかのぼります。当時、学芸学部と経済学部からなる新制大学として開学し、その後、教育学部、工学部を設置、また、平成15年の大分医科大学との統合などを経て、現在、5つの学部を擁する総合大学となり、昨年で創立75周年を迎えました。
現在では、大学院生も含め、約5,400名の学生が旦野原キャンパス及び挾間キャンパスで学んでいます。

私は、2011年の学長就任以来、「改革なければ明日はない」という強い決意のもと、国立大学としての使命を果たすべく、時代や社会のニーズを踏まえ、今日まで様々な改革を行い、皆さんが学びたいことが学べる大学へと進化させてきました。
最近の主な改革としては、令和6年度に、理工学部及び大学院工学研究科において、本格的にDX人材養成を開始しました。さらに、本年度には、大学院工学研究科を理工学研究科へ改組しました。その中に「情報・数理データサイエンスプログラム(高度実践系)」を新設し、理工学部の「DX人材育成基盤プログラム」と連動することにより、デジタル社会におけるリーダーとして、新しい付加価値の創造を主導できるDX人材の育成を目指していきます。

これからも、私は、大分大学長として、時代や社会の様々な状況下において、今、本学は何をすべきか、どうすることが学生にとって最善かということを真剣に考え、教職員一丸となって種々な改革に取り組み、「知(地)の拠点」として地域社会と共に発展し、地域に支えられる大学として使命を果たし続けることにより、次世代につながる未来を創造していきたいと考えています。

さて、多くの皆さんは、厳しい受験勉強を克服し、晴れて本日を迎え、今、喜びと期待で胸を膨らませていることと思います。
ここで皆さんに考えてみていただきたいことがあります。「勉強」と「学問」は同じものでしょうか。それとも違いがあると思いますか。皆さんが今まで学んできたことは、文部科学省が定めた「学習指導要領」に基づいた教育課程での学習や大学受験のための受動的な学びです。つまり、「勉強」です。
大学での学びは、専門知識の探究、貢献、深化、および問題解決能力の発展を重視する長期的なアプローチとなり、皆さんが好奇心や興味を持つ課題を発見し、課題解決に向けて自発的に探究する能動的な学びが主体となります。つまり、これは「学問」です。学ぶことの楽しさ、素晴らしさを改めて実感する方も多いのではないでしょうか。
また、大学は、「学問」以外にも様々な経験を通して、社会人として生き抜く力を身に付け、自分自身の価値を向上させていく場です。
大分大学では、日々の学びだけでなく、友人や教員との出会いや様々な交流、さらには、サークル活動、アルバイト、ボランティア、インターンシップ、海外留学など、大学生だからこそできることが多くあります。これらを通して、地域や社会から求められる付加価値、つまり、「人間力」を養ってもらいたいと思っています。この「人間力」は、様々な意味で使われますが、大学において培われる「人間力」は、基礎的な学力に裏打ちされた高い専門知識と、それを活かすための柔軟な思考力と創造性、さらに、幅広い教養や人間性、国際的に活躍できるグローバルな視野などです。皆さんの人生にとっての大きな財産になります。

そのためにも、今日から、皆さんが充実した大学生活を送れるよう、全力でサポートしますので、新たな大学生活を満喫して欲しいと願っています。最初は、初めての大学生活に戸惑うこともあるかもしれませんが、大分大学では、学習面だけでなく、生活面も含めて専門スタッフが皆さんを支援する体制を整えていますので、不安なことや分からないことがあれば、何でも相談してください。

ここで、長年医学を学んだ医師として、皆さんに是非強く意識してほしいことがあります。それは、心身の健康を保つということです。健康は全ての活動の源で、人生で一番大切にしなければならないものの一つだと強く実感しています。健康だからこそ、人生において様々なパフォーマンスが発揮できるのです。
皆さんの中には、これまで、受験勉強などで不規則な生活が長く続いた方もいることでしょう。若いころから規則正しい生活を続けることが重要です。具体的には、早寝早起き、そして暴飲暴食を避けバランスの良い食事と適度な運動に努めるというごくシンプルなことです。是非、これらを実行してほしいと思います。
また、大分大学は全国に先駆け、平成23年4月から全キャンパスを敷地内全面禁煙とし、学内の無煙環境の構築を積極的に推進し、ここ10年で教職員、学生ともに喫煙者は大幅に減りました。喫煙は、本人だけでなく、まわりの人にも深刻な健康被害をもたらすことが明らかです。例え先輩等から勧められても決して手を出さないようにしてください。

最後に、大学生活は長いようで短いものです。
本日、述べたように大学生活は、皆さんの人生にとって貴重な時間となります。
豊かな「人間力」を備えて、いずれこの学び舎から巣立つことを願って、私からの告辞といたします。入学、おめでとうございます。

  令和7年4月2日
 

大分大学長 北野 正剛