お知らせ第124回学長記者会見

第124回学長会見

日時
2016-03-30
場所
大分県庁県政記者室
第124回学長会見

(事項1)平成28年度採用 公立学校教員採用試験結果発表,本学学生の合格者数が大幅UP



 教育福祉科学部および大学院教育学研究科の教育目的のひとつに,質の高い教員の養成があります。この教育目的の達成度を測る指標が教員採用試験の合格者数であると言えます。
 平成28年度採用 公立学校教員採用試験の結果,本学学生の合格者数が前年と比べて大幅アップとなりました。このことは,本学の教員養成機能が年々向上していることを示すものとなっています。



 右上の表は直近5年間の公立学校教員採用試験の合格者数を表しています。
地域の大学として,地元大分県の教員を輩出することが本学部の使命として求められていますが,数年前と比べるとかなりの合格者増となっていることがわかります。
 今年度合格者の内訳をみると,大分県教員採用試験合格者43名中,小学校26名,中学校9名,特別支援学校6名,高校2名となっています。
 このような好結果の背景として,数年前から取り組んでいる教員養成カリキュラムの改善・充実の成果が実を結んできたこと,および他大学には類をみないほどの充実した教員採用試験対策の指導体制や学習環境が整ってきたことがあげられます。
 なお,4月からは教育学部に改組され,教職大学院も設置されることから,今後も引き続き,優れた資質を有する教員の養成に取り組んでいきます。

(事項2)難関の社会福祉士・精神保健福祉士国家試験において,全国唯一の2年連続合格率100%を達成(新卒者)

 社会福祉士(試験:1月24日 合格発表:3月15日)及び精神保健福祉士(試験:1月23・24日 合格発表:3月15日)の両国家試験において,本学教育福祉科学部 人間福祉科学課程 社会福祉コースの学生が昨年度に続き合格率100%(新卒者)を達成しました。
 今年度の国家試験は,全国平均合格率が社会福祉士26.2%,精神保健福祉士61.6%という厳しい状況のなか,本学は両福祉士とも見事に全員合格を果たしました。
 説明するまでもなく,受験者数が多いほど合格率100%達成は難しいものとなります。本学の社会福祉士新卒受験者数は27名でした(精神保健福祉士は5名)。
 今年度,社会福祉士の新卒合格率100%は本学を含めて3大学ありましたが,名古屋市立大学は10名,大阪市立大学は11名と受験者数が少なく,本学の27名は際立っています。また,2年連続での社会福祉士100%合格,同じく2年連続の「社会福祉士+精神保健福祉士」100%合格は全国で本学だけです。
 さらに特筆すべきは学生の真摯な姿勢です。受験を控えた学生は,この1年間膨大な学習量をこなしてきました。こうした努力もおそらく「日本一」で,学生の長い人生を考えた時に,合格率日本一より価値があるものと考えます。


国家試験終了直後の記念写真

(事項3)平成28年度開設 福祉健康科学部 管理棟及び研究棟開所式

 本年4月,昭和47年の工学部設置以来44年ぶりに開設する「福祉健康科学部」の管理棟及び研究棟の開所式を行います。

 福祉健康科学部の設置により,教育福祉科学部の教員の研究室等で使用していた「総合実験研究棟」及び「地学標本処理室」を「福祉健康科学部研究棟」及び「福祉健康科学部管理棟」として使用するために改修しました。
 「福祉健康科学部研究棟」は,4階建てで福祉健康科学部の教員の研究室や教育学研究科の心理教育相談室として使用します。
 「福祉健康科学部管理棟」は,平屋建てで,福祉健康科学部の学部長室及び事務室として使用します。
 これらの建物は,新たに外見のカラーを統一し,建物の周辺も建物のカラーに合わせたインターロッキングで仕上げています。


■開催日時:平成28年3月31日(木)09:45~
■開催場所:福祉健康科学部管理棟玄関前

◆開所式スケジュール
  09:45 記念撮影
  09:50 開式
       北野学長 挨拶
       衣笠福祉健康科学部設置室長 挨拶
       テープカット
       閉式
 閉式後,学長・理事等による施設内見学

(事項4)福利厚生施設「学生交流会館」完成記念式典を開催

 本学旦野原キャンパスに,更なる学生への福利厚生の充実を目指して「学生交流会館」が完成します。
 これを記念して,4月5日(火)に完成記念式典を開催します。

 新しい福利厚生施設は,木造平屋建て約1,900平方メートル,席数606席を設け,大分県の林業再生県産材利用促進事業の承認を受けています。建物に使用された木材のうち80%以上に県産木材を使用,室内には森に見立てて木を組んだオブジェのような柱が林立し,外から見ると一面ガラス張りの開放感あふれる造りとなっており,和める場として安らぎのひと時を過ごすことができます。
 このような大規模な木造建築物に接することで,本学の学生が自然の木の温もりやものづくりに関心を持つことを期待しています。
 施設内は,カフェテリア,飲食スペースをはじめ,パーティションで仕切ることにより小規模な研究会などのイベントも開催可能な,フレキシブルな造りとなっています。
 なお,当施設は一般の方にも開放します。本学は,この新しい学生交流会館が,学生と一般の方を繋ぐ新たな交流の場となることを目指しています。

■実施時期等
 完成記念式典 / 平成28年4月5日(火)10:50開式 12:10終了予定
 正式オープン / 平成28年4月6日(水)08:00~

■開催場所
 福利厚生施設「学生交流会館」正面玄関


オープンが待たれる学生交流会館の外観


(事項5)国立大学初!株式会社アデランス運営の病院内ヘアサロンが開店

 本学医学部附属病院内に,株式会社アデランスが運営する病院内ヘアサロン「ヘアサロン こもれび 大分大学医学部附属病院店」が開店します。
 本学への出店は,アデランス社として国立大学初であり,全国の病院内ヘアサロンとしては26件目の出店となります。

 病院で療養中の患者さんには,抗がん剤や放射線治療等の副作用による脱毛や爪の変色など外見の変化に悩まれる方が多くいらっしゃいます。アデランス社が展開する病院内ヘアサロンは,患者さんのQOL(Quality of Life)向上を目的に病院内に常設する理美容室です。シャンプー,ヘアカット,カラーリングといった一般的な理美容サービスの提供だけでなく,脱毛に関するご相談,医療向けウィッグの取扱いやアフターサービスの実施,メイク・ネイルの施術など,患者さんの生活を支援するアピアランス(外見)ケアをワンストップで提供します。
 今回,医学部附属病院にオープンする店舗は,清潔感あふれる開放的な空間にプライベートに配慮した施術スペース2席を設けています。エントランスには,手に取って試着していただけるよう,さまざまなヘアスタイルのウィッグをディスプレイしています。また,店内はバリアフリーを実現し,点滴スタンドや車椅子での利用が可能です。病室にて施術する出張カットにも対応するため,患者さんご自身での来店が困難な方でもサービスを受けることが可能です。

■大分大学医学部附属病院内ヘアサロン
「ヘアサロン こもれび 大分大学医学部附属病院店」店舗概要
  営業時間: 9:00~17:00  定休日: 土曜、日曜
  取扱商品: 医療用ウィッグ,医療用帽子,まつ毛・眉毛用美容液,スカルプ&ヘアケア関連商品・機器
       など
  取扱サービス: 美容サービス(ヘアカット,ヘアカラー,シャンプーなど),アフターサービス(ウィ
         ッグの手入れなど),メイク・ネイルの施術サービス,出張カットサービス

 本学と株式会社アデランスとは,2013年11月に抗がん剤治療の副作用である脱毛の予防に関して共同研究の契約を締結し,産学連携のプロジェクトを進めています。


写真:病院内ヘアサロンこもれび(イメージ)

(事項6)膵癌が進行するメカニズムの解明に成功し,他の癌の既存薬が膵癌に有効であることを動物実験で証明



 医学部分子病理学講座の泥谷助教(右写真:中央),守山教授らは,東京大学医科学研究所,愛知県がんセンター研究所との共同研究により,膵癌の浸潤メカニズムの解明に成功しました。その成果に基づき,他の癌で既に使用されている既存薬(MAPキナーゼ阻害薬)が膵癌に有効であることを動物実験で証明しました。
 その研究内容が米国の科学雑誌Cancer Research誌(電子版)に掲載されました。

 浸潤性膵癌は治療成績がきわめて不良な難治癌ですが,早期は上皮内癌という上皮内に限局した癌から始まります。上皮内癌の段階で治療されれば予後は良好です。しかし,顕微鏡レベルの上皮内癌を見つけることは通常困難で,臨床的には上皮内癌から浸潤癌となった後発見されることが多く,いったん浸潤性膵癌となると予後は極めて不良となります。そこで,私たちは膵癌の上皮内癌が浸潤性膵癌へ進行するメカニズムの解明に取り組んできました。そのメカニズムが解明できれば治療薬開発の糸口となるからです。
 私たちは,先ず,膵癌患者さんから切除された膵癌組織を用いて,同じ組織内に混在する上皮内癌と浸潤癌のゲノムをそれぞれ調べ比較しました。すると浸潤癌ではDUSP4という遺伝子が欠失しており,上皮内癌ではそのような異常は認めないことを発見しました。つまり,DUSP4の機能が失われることで膵癌細胞は増殖,浸潤,転移する能力が高まることを発見しました。DUSP4は,MAPキナーゼという癌の増殖や浸潤を高める酵素を抑制する働きを持っており,DUSP4の機能喪失は結果としてMAPキナーゼの活性を高め,上皮内癌が浸潤癌に進行するきっかけとなることがわかりました。
 したがって,MAPキナーゼの活性を抑える治療が膵癌の治療法として有望だと考えられました。そこで,膵癌細胞を移植したマウスにMAPキナーゼを阻害する薬剤を投与したところ,腫瘍の増殖や転移が抑えられ,生存期間も延長することが分かりました。
 以上の研究成果から,膵癌の浸潤能獲得にはDUSP4の欠失が関わることと,DUSP4欠失に伴って活性化されるMAPキナーゼを抑制する治療が膵癌治療に有望であることが明らかとなりました。




その他の情報

(事項1)平成28年度 入学式の実施について

 平成28年度入学式を4月4日(月)に実施します。

 大分大学医学部管弦楽団が,開式の前に「カレリア組曲第三曲 行進曲」を演奏,開式後,同楽団の伴奏,混声合唱団「コールレティッヒ」及び医学部混声合唱団「ユーベル・エコー」の合唱で国歌及び学歌斉唱を行います。


昨年度の入学式の様子


■開催日時:平成28年4月4日(月)10:00から
■開催場所:iichiko総合文化センター「iichikoグランシアタ」

(事項2)平成28年度 附属学校園入学式・入園式の実施について

 平成28年度附属学校園の入学式・入園式を下記のとおり実施します。



■開催場所:大分大学教育福祉科学部附属学校園(大分市王子新町1-1)
※教育福祉科学部から教育学部への改組により,4月1日からは大分大学教育学部附属学校園と表記することとなります。

(事項3)平成28年度新入生 学生生活特別ガイダンスにて主権者教育実施

 本学では学生に対し,入学式や各学部のオリエンテーション等において学生としての心構えだけでなく,社会人として自律した生活を送るために必要な知識等を提供しています。
 平成28年度度新入学生に対しても,4月8日(金)より学部ごとに学生生活特別ガイダンスを実施します。
 なお,本年6月19日に施行される改正公職選挙法に伴い,当ガイダンスの中で,主権者教育(政治に関する意識啓発)を行う予定です。

(事項4)平成27年度 就職状況について

 平成28年3月22日現在の就職状況等について報告します。

 各学部研究科の就職内定率は以下のとおりです。




(事項5)本学教員の受賞について(2件)

1.医学部眼科学講座の楠瀬直喜助教がバイエル薬品レチナ・アワードを受賞しました。

2.工学部福祉環境工学科建築コースの大鶴 徹教授が一般社団法人 日本音響学会 環境音響研究賞を受賞しました。


1.医学部 楠瀬助教が受賞したレチナ・アワードは,網膜疾患(後眼部領域)の科学的理解と臨床における診断,治療,患者マネージメントの発展に寄与するため,本年度より新設された助成プログラムです。今回は全国から31件の応募があり,4件採択され,そのうちの1件が楠瀬助教の研究テーマです。
 仙台市で開催される第120回日本眼科学会総会において,4月8日(金)に授賞式及び受賞者による講演が行われます。

2.工学部 大鶴教授は「波動音響数値解析の高精度化・実用化のための一連の研究」が音響学の発展に貢献し,豊かな生活環境の創生に資する研究と認められ,環境音響研究賞を受賞しました。
 横浜市で3月10日(木)に実施された日本音響学会春季研究発表会の中で,表彰式が行われました。


表彰を受ける大鶴教授


(事項6)監事,経営協議会学外委員及び理事の交代について

 4月1日より,本学の監事,経営協議会学外委員及び理事は以下のとおりとなります。