お知らせトピックス2018-011

深海底の緩やかな起伏が表層海流と海面水温前線を生む
-亜寒帯の表層海流と強い海面水温前線をつくり出す新メカニズムを発見-

 本学理工学部共創理工学科自然科学コースの西垣 肇准教授が加わる,北海道大学低温科学研究所の三寺史夫教授らの研究グループは,水深約5,500mの深海におけるわずかな海底起伏が,実は海の表面の海流や水温前線をコントロールしている,という新たな海流形成メカニズムを発見しました。
 背の低い緩やかな海底地形は世界中の海のいたるところにあるため,中高緯度の様々な海で,今回発見した海流形成メカニズムが働いていることが予想されます。本研究を基礎にした海洋学,水産学,気候学の進展が期待されます。

本研究成果は,2018年3月22日公開のNature Communicationsに掲載されました。

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研究内容の詳細について

深海底の緩やかな起伏が表層海流と海面水温前線を生む
-亜寒帯の表層海流と強い海面水温前線をつくり出す新メカニズムを発見-


論文情報

タイトル:Low ocean-floor rises regulate subpolar sea surface temperature by forming baroclinic jets
(深海底の背の低い起伏が傾圧ジェットを形成し亜寒帯の海面水温を規定する)
著者名:三寺史夫,美山透,西垣肇,中野渡拓也,西川はつみ,中村知裕,和川拓,古恵亮,藤井陽介,伊藤進一(北海道大学低温科学研究所,海洋研究開発機構,大分大学理工学部,国立極地研究所,水産研究・教育機構日本海区水産研究所,気象庁気象研究所,東京大学大気海洋研究所)
掲載誌:Nature Communications
doi:10.1038/s41467-018-03526-z