お知らせトピックス2020-023

令和2年豪雨災害の被災地で災害復興への課題について学びました

 11月18日に令和2年7月豪雨で甚大な被害をもたらした宝泉寺温泉(九重町)と天ヶ瀬温泉(日田市)に本学の学生らが訪問し,被災地域の方々による解説とともに被災地の現状と災害復興への課題について学びました。
 本事業は,減災・復興デザイン教育研究センターと学生・留学生支援課が主催したもので,7月・8月に両地区に派遣した災害ボランティアに参加した学生や災害ボランティア講習を受講した学生など計34名が参加しました。
 宝泉寺温泉では,7月の災害ボランティアの派遣先となった「ほたるとかじかの宿 旅館九重」を訪問し,代表取締役の矢野陽一さんから当時の状況や現状,復興(再建)について話を聞きました。雨が降り続き,旅館側の川がどんどん増水していく様子や旅館内に水が入り始め窓ガラスが割れたことなど災害の爪痕が残る現状とともに,当時のニュース映像を交え説明を受けました。再建には補助金等を活用しつつ,原状復帰ではなく新しく何かをしたいという意欲はあるものの,運転資金の問題など課題は多くあるということを聞きました。矢野さんの「50年に1度の災害と言われたが,この災害が次は50年後なのかというとそうではない。来年も起きるかもしれないと思って災害に備えたい」という言葉が非常に印象的でした。
 天ヶ瀬温泉街では,「天ヶ瀬温泉未来創造プロジェクト(通称:あまみら)」の代表である近藤真平さんから,当時の災害の様子やこれまでの復旧から復興に関する状況について天ヶ瀬温泉街を歩きながら説明を受けました。天ヶ瀬観光ホテル成天閣では,浸水したホテル内の様子やシンボルであった吊り橋の被害状況など現地で解説され,温泉街の現状から今後の復興など現状を踏まえた多くの課題が参加した学生らに示されました。一方で,「あまみら」を通じて,被災地の支援活動を行う「学生CERD※1」や県内外の学生の協力により,住民の方の憩いの場となる“シェアキッチンづくり”が進んでいるなど,温泉街の復興や活性化に学生らが支援しているとのことでした。近藤さんからは「一番簡単な支援は,被災地の状況を伝えること。風化させない。細く長く寄り添ってほしい」というメッセージをもらいました。
 参加した学生からは,「災害ボランティアに参加して以降,初めて被災地を訪れた。やはりまだ復興は進んでいないと感じた」といった声や「宿を再開した際にはぜひ訪れてほしいということを聞いて,そういう支援の形があるというのを初めて知った」といった声があり,被災地の現状を知り今後について学生自身が考えるきっかけとなる事業となりました。
 減災・復興デザイン教育研究センターは,引き続き地域の復興支援や防災教育等に尽力していきます。

※1「学生CERD」とは,減災・復興デザイン教育研究センター(CERD)が認める学生団体(部員数19名)であり災害ボランティアを中心に活動するほか,被災地の復興支援から防災・減災イベントの企画・実施や,学内外防災訓練への協力などを行っている本学の学生団体です。

土砂の残る宴会場
土砂の残る宴会場
ニュース映像を見ながら説明を受ける学生
ニュース映像を見ながら説明を受ける学生
天ヶ瀬観光ホテル成天閣にて
天ヶ瀬観光ホテル成天閣にて
学生CERDもシェアキッチンづくりに参画
学生CERDもシェアキッチンづくりに参画