お知らせトピックス2021-039

自然そして災害との共存を考えるフィールドツアーを実施しました

 大分大学減災・復興デザイン教育研究センターは,11月17日に由布市湯平地区と別府市鶴見岳にて,本学の学生を対象に温泉地特有の災害を理解し,『災害に強いまちづくり』を目指した地域の取組を学ぶためのフィールドツアーを実施しました。
 湯平地区では,麻生区長と白雲荘を営む横尾さんから令和2年7月豪雨の当時の状況について話を聞き,学生からの質問にも答えてもらいました。その後,湯平温泉街を歩き,減災・復興デザイン教育研究センター次長の鶴成悦久教授から,湯平地区特有の地形について解説がありました。湯平温泉街は石畳の風光明媚な観光地ですが,実際に歩いてみると雨が降り道路が川のようになった際に石畳で足が滑ったり躓いたりなど,学生たちは身をもって避難の難しさを実感していました。
 鶴見岳では,紅葉のきれいな時期でもあり登山者の姿も見られ,学生たちは息を切らしながら登った山頂から見える景色を背景に,鶴見火山の噴火の歴史に触れ,別府市を形成する特有の地形についての鶴成教授の話に熱心に耳を傾けていました。
 参加した学生からは「自然の恩恵があるということは,自然が人に猛威をふるうこともあるということ。まず自分が住んでいる場所はどんなところなのか,知ることから始めるべき」という声があり,自然と災害との共存について学生自身が考えるきっかけとなる事業となりました。
 湯平地区では,災害に強いまちづくりを目指す取り組みが動き出しています。住民が主体となって研修会や避難訓練,防災組織の立ち上げなどを計画しており,当センターが協力し,命を守るための行動の在り方を探っています。また,別府市をはじめ大分県や関係機関とともに火山防災への取り組みを進めており,センターでは引き続き,地域防災・減災に向けた教育研究活動と被災地への復興支援に尽力していきます。

白雲荘の横尾さん
白雲荘の横尾さん
湯平の地形の特性を学ぶ学生たち
湯平の地形の特性を学ぶ学生たち
別府市を一望できる展望台から
別府市を一望できる展望台から
鶴見岳山頂でパチリ!
鶴見岳山頂でパチリ!