お知らせトピックス2022-036

共創理工学科 檜垣准教授が第4回物質・デバイス共同研究賞を受賞しました

 本学理工学部共創理工学科応用化学コースの檜垣勇次准教授が、第4回 物質・デバイス共同研究賞を受賞しました。

 ■課題名:双性イオンブロックポリマーがソフト界面で形成する秩序構造の解明(基盤共同研究)
 ■受賞日:令和4年7月8日
 ■共同研究者:清水茜,小椎尾謙

 優れた生体適合性を示す双性イオン高分子は,医用材料の抗血栓性や蛋白質吸着抑制能を向上させる皮膜や薬物の血中滞留性を増幅するステルス性修飾分子としての応用が見込まれていますが,水性環境下における水和状態や分子鎖凝集機構は十分に解明されていません。檜垣准教授の研究プロジェクトが大学附置研究所が連携した共同研究ネットワークである「物質・デバイス領域共同研究拠点」の基盤共同研究に採択され,九州大学先導物質科学研究所 小椎尾謙准教授との共同研究が実施されました。
 檜垣准教授らは,双性イオン高分子が水/エタノール混合溶液において特定の混合比で凝集する共貧溶媒効果について,競争的水素結合と協同的水和による分子鎖凝集機構を薄膜の中性子反射率測定によって実験的に示しました。また,双性イオン高分子で構成されるブロック共重合体が水性環境で形成する分子集合体の双性イオン分子との相互作用による構造変調を系統的に調査することで,双性イオンの電荷,電荷間距離,構造対称性に応じた双性イオン特異的相互作用が双性イオン高分子の凝集を誘導していることを示しました。いずれの研究成果も,双性イオン高分子の分子特性の実態を解明した重要な研究成果であると認められ,本賞を受賞しました。

 檜垣研究室
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 受賞課題一覧