お知らせトピックス2022-054

博士前期課程の舛田拓己さんが令和4年度九州地区高分子若手研究会・冬の講演会にて高分子学会九州支部若手会優秀発表賞を受賞

 本学大学院工学研究科応用化学コース1年の舛田拓己さん(檜垣研究室所属)が、令和4年度九州地区高分子若手研究会・冬の講演会で「高分子学会九州支部若手優秀発表賞」を受賞しました。

  • 発表題目:ポリ(2-エチル-2-オキサゾリン)/ポリカルボキシベタインメタクリレートブロック共重合体濃厚溶液におけるモルフォロジー転移
  • 発表日時:2022年 11月 24日
  • 著者:舛田拓己,高橋将也,倉岡直輝,中村まい,檜垣勇次

 細胞内液滴が関与する生命現象・疾患の包括的理解を志向した研究の潮流から、高度に狭雑した水性環境下における水溶性高分子の相分離現象が新たな生体模倣分子システムとして注目されています。本研究では、非イオン型親水性高分子であるポリ(2-エチル-2-オキサゾリン)と双性イオン型水溶性高分子であるポリカルボキシベタインで構成される新規両親水性ブロック共重合体を合成し、高濃度溶液で自発的に形成されるナノメートルスケールの格子状秩序構造を小角X線散乱測定により計測し、構造形成の分子機構を研究しました。この新規高分子が水/エタノール混合溶液においてミクロ相分離により秩序構造形成する実態を示し、その分子組成、溶媒組成、高分子濃度に依存した秩序構造転移を相図として可視化することで、共貧溶媒効果に起因する溶媒組成特異的構造形成機構を解明しました。水性環境下で高度な秩序構造からなる分画場を自在に作り出すことのできる新たな高分子システムであり、化粧品、生体材料、薬物送達システム、次世代創薬モダリティの開発における基礎となる研究成果です。
 本研究は、JSPS科研費 基盤研究B 「水性ミクロ相分離二相系高分子集積体の創成」 JP 22H02147、新学術領域研究(研究領域提案型)水圏機能材料:環境に調和・応答するマテリアル構築学の創成 「選択的水和による水圏メゾスコピック秩序構造」 JP22H04555の助成を受けたものです。(受賞対象発表件数:42件,受賞者数:3名)


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 新学術領域研究 水圏機能材料について
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受賞した舛田さん(右)
受賞した舛田さん(右)
賞状
賞状