お知らせトピックス2022-057

過去の災害地や想定される災害を学ぶフィールドツアーを開催しました

 減災・復興デザイン教育研究センター(以下「減災センター」)は、11月12日に宇佐市にて「過去の災害地や想定される災害を学ぶフィールドツアー」を宇佐市との共催で開催しました。本事業は「令和4年度 減災シンポジウム in 宇佐市」(令和5年1月29日、宇佐市 宇佐文化会館 ウサノピアで開催)の関連イベントで「災害多発時代を生きる」をテーマに、宇佐市の防災や減災に関する諸課題(地域や行政の課題、事業所が抱える避難計画など)について、次世代を担う若者世代とともに考え、宇佐市の減災社会の実現に向けた事業として取り組んでいるものです。
 今回のツアーには地元高校生15名(宇佐高等学校・宇佐産業科学高等学校・安心院高等学校・柳ヶ浦高等学校)と本学「学生CERD」の学生12名らが参加し、宇佐市で発生した過去の土砂災害や水害、そして地域の暮らしを支える“ため池”の災害と歴史、宇佐市に潜む災害リスクや特性を学びました。
 ツアーでは減災センターが運用する 大分県災害データアーカイブ に登録された過去の災害から、平成9年9月台風第19号により洪水被害をもたらした安心院町津房川(二級河川)、昭和18年9月台風第26号により発生した土砂崩れにより29名(周辺地区を含めると39名)もの人的被害が発生した出光地区、そして宇佐市で最大のため池である小倉池の干害・決壊の歴史と伝説など、現地を訪ね歩きながら、多くの関係者の協力と丁寧な解説により理解を深めていきました。また、津房川や小倉池には災害を伝える「伝承碑」が設置されており、参加した高校生や大学生らも先人からの想いと、後世に伝える伝承の意義を実感していました。これらを通じ、参加者は年末に行われるワークショップで多様な災害への備えや課題について考え、これからの防災や減災社会のあり方を議論し、災害多発時代を生きていくための提言を1月の減災シンポジウムで発表します。

当時の洪水被害の様子や復旧事業の説明を受ける<br />(安心院町津房川)
当時の洪水被害の様子や復旧事業の説明を受ける
(安心院町津房川)
地元出身の官吏が撮った災害直後の貴重な写真<br />(出光地区公民館)
地元出身の官吏が撮った災害直後の貴重な写真
(出光地区公民館)
土砂崩れ現場に近い公民館で説明を受ける<br />(出光地区公民館)
土砂崩れ現場に近い公民館で説明を受ける
(出光地区公民館)
人柱伝説の説明を受ける<br />(宇佐市最大のため池 小倉池)
人柱伝説の説明を受ける
(宇佐市最大のため池 小倉池)