お知らせトピックス2022-059
火山防災フィールドツアーを実施しました
減災・復興デザイン教育研究センター(以下「減災センター」)は、鶴見岳・伽藍岳による火山災害を想定した火山防災フィールドツアーを、11月16日に別府市にて実施しました。
本ツアーは減災センターと別府市を中心に、大分県や大分地方気象台など関係機関が協力・協働で実施したもので、別府市職員および市消防職員、本学や京都大学の学生が参加しました。
秋晴れの中、別府市内をめぐる火山防災に関するツアーでは、減災センターの荒井健一客員研究員(アジア航測株式会社)から、赤色立体地図と呼ばれる特殊な地図を使って、溶岩地形や土砂移動の痕跡を景色と重ね合わせながら、活火山の噴石・火山灰の影響などの解説がありました。別府ロープウェイの別府高原駅や十文字原展望台からは別府湾にむけて広がる地形を、別府観光港からは鶴見岳・伽藍岳を見上げながら、想定される火山噴火の事象や、地形、地層、断層、温泉(熱水)など地学に関する幅広い解説がありました。
ツアーガイドを務めた雲仙岳災害記念館(がまだすドーム)の杉本伸一館長からは、「雲仙普賢岳の災害(1990-1995)では、まさか火山が噴火するとは誰も思っていなかった」として、役場職員だった当時の災害対応を振り返りながら、火山災害への備えについて解説がありました。また、減災センター客員教授である京都大学地熱学研究施設(別府市)の大沢信二教授からは、鶴見岳・伽藍岳の現状や噴火史について解説があり、大分地方気象台や大分県からは鶴見岳・伽藍岳の現状やハザードマップの説明など火山防災に関連する様々な解説がありました。
減災センターと別府市は、今後も火山防災に関連する様々な検討や啓発事業を共同で進めるほか、近隣の由布市をはじめ大分県や大分地方気象台など関係機関と連携し、地域の火山防災への取り組み強化を図ります。