お知らせトピックス2022-081

「減災シンポジウム in 宇佐市」を開催しました

 大分大学減災・復興デザイン教育研究センターは、1月29日に、宇佐文化会館・ウサノピアにて、大分大学主催(共催:宇佐市,大分県,気象庁大分地方気象台、国土地理院九州地方測量部)による「減災シンポジウム in 宇佐市」を開催しました。当日は市内外から約180名が訪れ「災害多発時代を生きる」をテーマに、地域防災や減災社会のあり方を考えるシンポジウムとなりました。
 初めに、センター長の鶴成悦久教授が「宇佐市における災害のリスクを学ぶ」と題し、地球温暖化に伴う気候変動によって災害が世界的に頻発する現代、そして少子高齢化と人口減少が進む地域の現実、さらには宇佐市内全域のリスクなど災害多発時代を迎えた現代社会に対し、過去・現在、そして未来を見据えた減災社会の構築について報告しました。
 次に、和田病院住宅型有料老人ホーム和楽苑 小松憲一氏より、要配慮者利用施設の避難確保計画の実践活動と題して、避難確保計画に基づく実際の避難訓練の動画を交えての事例発表がありました。訓練の日は晴天だったが実際は大雨の可能性もあり、外へ避難するのは困難であることや、施設内での垂直避難をする場合も早めの決断と避難が重要であると報告がありました。
 高校生と大学生による減災社会に向けた若者からの提言では、11月12日に開催した「フィールドツアー」 と12月26日の「ワークショップ」 の様子を動画(YouTube動画はこちら)で紹介した後、2040年に宇佐市が迎える減災社会の姿を「交通」「防災」「医療」「防犯」「情報」「避難」の6つの分野から目標を設定し、2033年までに行うべき行動計画の実現に向けて、自分たちができることを発表して締めくくりました。
 市民参加型ディスカッションにおいては、パネラーとして是永修治 宇佐市長、岡本文雄 大分県生活環境部防災局長、後藤貴士 気象庁大分地方気象台長、檜山洋平 国土地理院九州地方測量部長、宇佐市民代表 田中昭次 宇佐市防災士会事務局長、高校生代表 大分県立宇佐高等学校2年 杉山颯太さん、コメンテーターとして九州大学大学院工学研究院附属アジア防災研究センター 三谷泰浩 教授(減災センター客員教授)、コーディネーターを鶴成センター長が務め、「災害多発時代を生きる」をテーマに討議が進みました。討議では来場者が、スクリーンに映し出されるアンケートにクリッカーで回答し、その結果からどのような対応が必要なのか、また防災行政としてどのように対応すべきなのかといった議論が進み、壇上と参加者である市民が一体化したパネルディスカッションが開催されました。
 本学では、地域貢献の一環として県内の自治体と協働による「減災シンポジウム」を開催しており、令和5年度は豊後高田市での開催を予定しています。

災害リスクについて説明する鶴成センター長
災害リスクについて説明する鶴成センター長
実践的な避難計画について事例発表する小松氏
実践的な避難計画について事例発表する小松氏
高校生・大学生による減災社会への提言
高校生・大学生による減災社会への提言
市民参加型パネルディスカッション
市民参加型パネルディスカッション