お知らせトピックス2023-032

第16回グローカル感染症研究セミナーを開催しました

 大分大学グローカル感染症研究センターは、8月31日に第16回グローカル感染症研究セミナーをハイブリッドで開催しました。第16回は「レプトスピラ感染症に対する国際共同研究の展開」と題し、講師に産業医科大学医学部微生物学の宮原敏助教を招いて実施し、配信会場とオンラインを合わせて19名が参加しました。
 宮原助教は、昨年度に引き続き、本センターの西園晃教授(センター長、医学部微生物学講座)と共同研究「レプトスピラ症のPoint of Care testingを目指した尿中抗原検査の開発」を実施しています。レプトスピラ感染症は人獣共通感染症で、ヒトの感染例は熱帯地方でのアウトブレイクを始めとして世界中で報告があり、加えて幅広い伴侶動物、家畜、野生動物が保菌、感染を示しています。大正4年に福岡県において Leptospira interrogans がレプトスピラ症の病原体であることが証明されましたが、未だ病態や病原因子については不明な点が多く、顧みられない熱帯病の状態が続いています。
 セミナーでは、レプトスピラ感染症の概略と問題点、宮原助教が九州大学 MD-PhD コース在籍中に参加した地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)での研究成果に加え、現在実施中の共同研究についての概説がありました。レプトスピラは大雨や冠水をきっかけに地表に出現し感染を起こすと考えられており、近年は日本でも異常な大雨が多いことを考えると、日本でも再興感染症として問題となる可能性があるとのことでした。
 非常に興味深い内容の講演に、終了後は参加者から、ワクチンや病原性、種間伝播などに関する具体的な質疑応答もあり、盛況のうちに終了しました。

講演を行う宮原助教
講演を行う宮原助教
講演資料
講演資料
配信会場の様子
配信会場の様子
会場参加者
会場参加者