お知らせトピックス2023-061

理工学部共創理工学科の立山実結花さんが
「高分子学会九州支部若手会優秀発表賞」を受賞しました

 本学理工学部共創理工学科応用化学コース4年の立山実結花さん(檜垣研究室所属)が、令和5年度九州地区高分子若手研究会・冬の講演会において、ポスター発表を行い「高分子学会九州支部若手会優秀発表賞」を受賞しました。

  • 発表題目:糖鎖/双性イオン両親水性ブロック共重合体の合成
  • 著者:立山実結花、前田沙弥、檜垣勇次
  • 発表日時:2023年11月16日
  • 発表場所:熊本城ホール

 細胞内液滴が関与する生命現象・疾患の包括的理解を志向した研究の潮流から、高度に狭雑した水性環境下における水溶性高分子の相分離現象が新たな生体模倣分子システムとして注目されています。檜垣研究室では、水溶性高分子の水中相分離に基づく新たな分子システムを研究しており、水溶液状態でナノメートルスケールの相分離構造(ミクロ相分離構造)を形成する分子集合体を見出しています(Macromol. Chem. Phys. 2023など)。疎水性二分子膜で隔てることなく水相を分画する分子集合体であるため、スキンケア、生体材料、薬物送達システム、複合型創薬モダリティの開発における基礎となる新技術として研究を進めています。受賞研究では、細胞の分子認識機能を担う糖鎖の分子骨格であるピラノースを含む糖鎖高分子と、細胞膜を構成するリン脂質の親水部位である双性イオン構造を含む双性イオン高分子で構成される新規両親水性高分子の合成と、水溶液で形成される分子集合体の構造と機能を研究しています。粘り強く合成プロセスの検討を繰り返した結果、目的とする両親水性高分子の合成に成功しました。合成した分子が水中で形成する分子集合体の構造と分子内包特性を、動的光散乱実験や放射光小角X線散乱実験によって研究する計画です。
 本研究は、JSPS科研費 基盤研究B「水性ミクロ相分離二相系高分子集積体の創成」JP22H02147、新学術領域研究(研究領域提案型)水圏機能材料:環境に調和・応答するマテリアル構築学の創成「選択的水和による水圏メゾスコピック秩序構造」JP22H04555の助成を受けたものです。(受賞対象発表件数:46件、受賞者数:8名)

(左から)立山さんと<br />九州地区高分子若手研究会田中直樹幹事
(左から)立山さんと
九州地区高分子若手研究会田中直樹幹事
賞状
賞状