お知らせトピックス2024-018
子犬からの感染が狂犬病死亡の主要原因
~フィリピンでの大規模狂犬病調査結果を国際学術誌に発表~
大分大学医学部医学科微生物学講座・グローカル感染症研究センターの西園晃教授と、同センター客員教授であり長崎大学熱帯医学研究所ケニアプロジェクト拠点の齊藤信夫准教授らの研究グループが、フィリピンでの3年間の前向き患者登録研究から得られた結果を国際学術誌「Frontiers in Microbiology」(インパクトファクター5.64)に発表しました。
この研究により、これまで不明であったヒトへの狂犬病感染の原因動物が、成犬ではなく子犬であることが示され、研究グループは全世界での子犬へのワクチン接種レジメの見直しを強く提唱しました。この成果は、狂犬病予防の方針や、動物咬傷への意識を大きく変えることに役立つものであり、今後の狂犬病予防に大きなインパクトを与える可能性があります。
狂犬病は世界中で蔓延している恐ろしい感染症です。特に、蔓延国への渡航の際はリスクを認識し、動物とのむやみな接触を避けるよう注意が必要です。
本研究は、独立行政法人国際協力機構(JICA)と日本医療研究開発機構(AMED)が連携して実施する地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)(課題名:フィリピンにおける狂犬病排除に向けたワンヘルス・アプローチ予防・治療ネットワークモデル構築)で行われました。2025年からはJICAが実施するSATREPS後継プロジェクトが開始予定であり、大分大学は今後も長崎大学と共に、フィリピンの狂犬病対策に貢献していきます。
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