お知らせトピックス2024-043
医学部大学院生アラインさんが「アフリカ・ヘリコバクターと細菌叢の国際会議」で最優秀口頭発表賞を受賞しました
医学部環境・予防医学講座大学院生のアライン(Alain Cimuanga Mukanya)さんは、8月16日から17日に南アフリカ共和国ケープタウンで開催された「第1回 アフリカ・ヘリコバクター・微生物叢研究グループ(AHMSG)国際会議」にて口頭発表を行い、最優秀口頭発表賞を受賞しました。このワークショップは「アフリカ・ヘリコバクター・微生物叢研究グループ(AHMSG)」が新しく組織され、所属する研究者により初めてアフリカで開催された、ヘリコバクターピロリ菌に関する国際会議です。
アラインさんは「Synergistic effects of T558S and N562H as novel penicillin-binding protein 1a amino acid substitutions contributing to high-level amoxicillin resistance of Helicobacter pylori(高いアモキシシリン耐性を示すヘリコバクター・ピロリ菌におけるペニシリン結合蛋白質1Aの新規アミノ酸置換T558SとN562Hの相乗効果)」の発表で、コンゴ民主共和国で分離された高いアモキシシリン耐性株で認められた4つのアミノ酸変異(うち2つは新規変異)の機能を解析しました。この4つのうち1アミノ酸変異だけでは耐性を示しませんが、2つおよび4つの変異を同時に実験株に導入すると、より高いアモキシシリン耐性を再現しました。さらには蛍光ペニシリンとアモキシシリンの競合的解析により、上記2および4変異のあるペニシリン結合蛋白質1Aでは、アモキシシリン結合能が低下していることを証明しました。また、蛋白質構造モデル解析よりアミノ酸置換のもたらす機能変化を推測しました。
この研究では、新しい相乗的なアモキシシリン耐性機構を明らかにし、アモキシシリン耐性ピロリ菌判定の新しい遺伝子マーカーとなることを見出しました。