お知らせ第138回学長記者会見

第138回学長記者会見

日時
2017-0726
場所
大分県庁県政記者室
第138回学長記者会見

(事項1)平成29年7月九州北部豪雨における大分大学減災・復興デザイン教育研究センター
    (通称:CERDサード)の活動について

 7月5日に福岡・大分両県を襲った九州北部豪雨に伴い,日田市で発災中の現場において,大分大学減災・復興デザイン教育研究センター(CERD)に所属する研究者らは,7月8日と15日に現地調査を実施しました。
 大分大学減災・復興デザイン教育研究センター(以下CERD)は,今後迫り来る災害への対応をより深化させるために,災害前から復旧・復興段階までの連携を図る研究プロジェクトを実施することを目的に設立され,関連主体,他大学との連携を取りながら,地域における防災対策強化のための教育・研究・地域貢献活動に関して,「防災教育・リスクマネジメントユニット」,「復興デザインユニット」の2つの柱を立て,プロジェクトを実施しています。
 今回,CERDに所属する研究者が,7月8日と15日に現地調査を実施しました。その調査結果はセンターホームページ (http://www.cerd.ico.oita-u.ac.jp/)の「災害調査」と「G空間情報ポータル」に公開し,誰でも閲覧が可能となっています。
 また,小野地区,大鶴地区鶴河内川周辺部などでUAV(無人航空機,ドローン)による撮影を行い,この動画も公開しています。
 CERDでは,災害前の対策や災害後の復旧・復興を支援できるように,今後も継続的に調査等を実施し,行政や地域との連携を強化していきます。
 なお,本学では大学認定研究チーム「BURST バースト」制度を設け,独創的な研究,異分野融合研究,地域課題の解決を目指す実践的な研究などを行う研究チームを認定し支援を行っています。現在「CERD」など4つの研究チームを認定し,組織的な支援を行っています。

(事項2)平成29年7月九州北部豪雨被災地にて大分大学医学部附属病院より医療支援チーム及び
    災害医療コーディネーター派遣

 7月5日に福岡・大分両県を襲った九州北部豪雨の被災地である日田市で,大分大学医学部附属病院は,医療支援チームと災害医療コーディネーターを派遣し活動しました。
 本学医学部附属病院は,甚大な被害に見舞われた九州北部豪雨の医療支援として,早期から医療支援チームと災害医療コーディネーターの派遣を行いました。

■医療支援チーム  7月7日(金)から7月12日(水)
 医師1~2名 看護師2名 薬剤師1名 業務調整員 1~2名
■災害医療コーディネーター 1名
 7月10日(月)から7月15日(土)

 大分県との協定に基づく県からの要請により,医療支援チームを,7月7日より日田市に派遣しました。現地においては,日本赤十字社大分県支部救護班,認定特定非営利活動法人 災害人道医療支援会(HuMA),DVT(※1)予防チーム,JRAT(※2),DPAT(※3)などのチームと共同で活動しました。避難所での医療ニーズの把握,診療,健康相談を行いながら,避難所のアセスメントも行いました。
 7月10日からは,同じく県からの要請を受け,災害医療コーディネーターを西部保健所に派遣し,大分DMAT(※4)業務調整員(1~2名)とサポートチームを構成して活動しました。大分県での災害医療コーディネーターの被災地への派遣は初めての事例であり,情報の収集整理や様々なチームとの業務調整を行いました。
 地元医療機関,保健所,日田市により対応が可能な状態と判断されたことから,医療支援チームは7月12日,災害医療コーディネーターは7月15日を持って撤収しました。医療支援チームの役割は,医療ニーズへの対応だけでなく,避難所支援など保健師活動を支える業務も期待されています。
 本学では,今後も要請を受け,被災地への支援に対応していきます。

(※1)DVT:深部静脈血栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)
(※2)JRAT:大規模災害リハビリテーション支援関連団体協議会(JAPAN REHABILITATION Assistance Team)
(※3)DPAT:災害派遣精神医療チーム(Disaster Psychiatric Assistance Team)
(※4)DMAT:災害派遣医療チーム(Disaster Medical Assistance Team)

(事項3)平成29年7月九州北部豪雨被災地にて大分大学学生ボランティアが活動

 7月5日に福岡・大分両県を襲った九州北部豪雨の被災地である日田市で,本学学生がボランティアとして復興のお手伝いをしています。
 甚大な被害に見舞われた九州北部豪雨の早期復興の手助けにと本学からボランティアチームを日田市に派遣することとし,参加学生を募集したところ,計81名の募集予定枠がすぐに埋まるほどの応募のもと,活動を実施しています。

当面の活動予定(日時及び参加学生数)は以下のとおりです。
(1回目)7月14 日(金),11名 ※実施済み
(2回目)7月22 日(土),37名 ※実施済み
(3回目)7月29 日(土),33名(予定)

 第1回目の活動が行われた7月14日には,学生11名と職員5名の16名が朝7時30分に本学を出発し,ボランティア活動を行いました。
現場は,ニュース等で報道される映像そのままの状況で,参加した学生たちは36℃を越える猛暑にも拘らず,協力しあいながら黙々と作業に取り組みました。
 このようなボランティア活動に初めて参加する学生も,既に経験したことのある学生も,今回の災害ボランティアへの参加で多くのことを学び,また,学んだことを今後の学生生活やその先の社会人としての生活に活かしていくことを期待しています。
 本学では,今後も継続して,日田市の要請に応じて学生ボランティアを派遣し,被災地の復興のお手伝いをすることとしています。

(事項4)大分大学医学部眼科学講座の久保田教授が研究ディレクターの一人を務める
    多施設共同研究“Genome Wide Association Study”により緑内障疾患感受性遺伝子を発見

 大分大学医学部眼科学講座が研究開始の段階から参加している九州内の数施設とシンガポールアイセンターとで行った共同研究により,新たな遺伝子の可能性が見いだされ,このことが,世界の眼科施設との共同研究の実施に繋がりました。本学医学部眼科学講座は,ターゲットとなる疾患感受性遺伝子を見出すことに貢献しました。
 緑内障の原因の一つである落屑症候群については,2007年に科学雑誌”Science”にて発表されたLOX1遺伝子異常に追加して,新たに6つの疾患感受性遺伝子を発見しました。LOX1遺伝子の機能解析では,疾患発症にprotectiveに働くバリアントを見出しました。
 これらの結果は,落屑症候群の病態解明に繋がり,治療の可能性を提示するものです。

 Genome Wide Association Study(以下GWAS)による世界での多施設共同研究で,緑内障の疾患感受性遺伝子を新たに発見し,結果を下記の世界的に有名な科学雑誌に報告しました。
特に下記の論文1)の落屑症候群の遺伝子に関しては本学眼科学講座の中野聡子助教が筆頭著者の一人であり,久保田敏昭教授が研究ディレクターの一人になっています。 研究成果の掲載論文は以下の通り。

 1)Nature Genetics 49(7), 993–1004, doi:10.1038/ng.3875, 2017
 2)Nature Communications 8:15466, DOI:10.138/ncomms15466, 2017
 3)Nature Genetics, 48(5): 556-562, doi:10.1038/ng.3540, 2016
 4)Nature Genetics 47(4): 387-392, doi:10.1038/ng.3226, 2015
 5)Human Molecular Genetics, 24(22): 6552-6563, 2015

 GWASは,ゲノム全体をほぼカバーするような,50万個以上の一塩基多型(single nucleotide polymorphism: SNP)の遺伝子型を決定し,SNP変異と疾患の関連を調べる手法を実施しています。
 多くの複雑疾患(遺伝要因と環境要因が相互に作用し,発症に至る疾患)の新規疾患感受性遺伝子同定に貢献しています。疾患を持っている人と持っていない人の血液などの生体材料を材料としており,非常にたくさんの提供者を必要とします。
 研究は2012年度に始まり、現在まで継続して実施しています。

(事項5)オープンキャンパス2017開催

 進学希望者が実際にキャンパスを訪れ,教員や学生に触れ合うことで,本学への進路選択の一助となるよう,高校生,保護者を対象としたオープンキャンパス(大学進学説明会)を,旦野原・挾間の両キャンパスで開催します。

■開催日:平成29年8月10日(木)
■開催場所:
 ・旦野原キャンパス(教育学部,経済学部,理工学部,福祉健康科学部)
  9:00~16:00
 ・挾間キャンパス(医学部医学科)
  12:00~16:00
 ・挾間キャンパス(医学部看護学科)
  8:30~16:00

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(事項6)大分大学理工学部設置記念事業を実施

 1972年に誕生した工学部は,地(知)の拠点として地域を創生し,社会へ貢献するイノベーション創出とグローバル化に対応できる理工系人材の養成を目的として,本年4月に創生工学科と共創理工学科の2学科を擁する理工学部に生まれ変わりました。
 この理工学部の設置を記念して,9月5日に設置記念事業を実施します。
 大分大学理工学部は,自然や数理の本質を追究し,さまざまな事象の概念や法則を見出していく「理学」と,自然科学や数学を基礎として,社会に役立つ技術や製品を研究・開発する「工学」が融合することにより,創生工学科では「工学の専門性を究めつつ理学の素養を併せ持つ人材」を,共創理工学科では「理学の専門性を究めつつ工学の素養を併せ持つ人材」をそれぞれ養成します。
 設置記念事業当日は,大分県,県内市町村,県内大学等,関連団体等など,学内外より約150名の出席のもと,式典や記念祝賀会などを行うこととしています。
なお,記念講演会で講師を務める遠藤守信氏は,夢の素材といわれる後のカーボンナノチューブの存在とその成長モデルを世界に初めて示した著名な研究者であり,その功績により毎年ノーベル賞候補に名前が挙げられています。

【大分大学理工学部設置記念事業スケジュール】
 ・記念式典(14:00~15:00)
 ・記念講演会(15:30~16:30)
  講師 遠藤 守信 氏(信州大学特別特任教授)
 ・記念祝賀会(17:00~18:00)

■開催日時:平成29年9月5日 14:00~18:00
■開催場所:レンブラントホテル大分 二豊の間

その他の事項

(事項1)平成29年度大学改革シンポジウム ~「地域における附属学校の役割」開催

 大分大学が主催し,国立大学協会が共催する大学改革シンポジウム~「地域における附属学校の役割」を大分大学旦野原キャンパスで9月9日に開催します。

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(事項2)お湯で動く機械(スターリングエンジン)の 工作教室を開催

 大分大学理工学部では,Jr.サイエンス事業の一環として,お湯で動く機械(低温度差スターリングエンジン)の工作教室を今年も開催します。
 スターリングエンジンは,19世紀初頭に,スコットランドの牧師ロバート・スターリング によって発明された人に優しい=安全な”熱空気エンジン“です。
 スターリングエンジンの早期実用化・普及が可能となれば,環境に優しいスターリングエンジンの特徴を生かした新たな産業の創生によって,日本が目指している循環型社会の構築に貢献することが期待されています。

【Jr.サイエンス事業とは?】
Jr.サイエンス事業は,近年の青少年の「科学技術離れ」,「理科離れ」,「ものづくり離れ」及び「技能離れ」などに対応するため,小・中学生の早い段階から,大学等の高度な教育機関において,科学技術やものづくりなどへの興味関心を抱く動機付けを与えるとともに,何かを作り出す喜びや完成した時の達成感等を味わい, プロセスの大切さやものづくりの重要性,技能・技術を身に付ける喜びを理解してもらうような様々なプログラムを提供するものです。


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(事項3)大分大学経済学部 第8回国際学生フォーラム “Role of
    Institution in the era of globalization(グローバル化時代の制度の役割)” 開催

 大分大学経済学部は,8月23日から第8回国際学生フォーラム(International Student Forum)を開催します。
 国際学生フォーラムを通じて,1)各自の発表内容に関する知識を身につけ,今後の研究に役立てる,2)意見交換を通じて,参加校の学術交流を拡充する,3)参加校それぞれの国際交流事業を充実させることを目指します。
 研究報告会の他には社会見学ツアーを実施するほか,交流パーティーを開催する予定です。 国際学生フォーラムは,大分大学と国際交流協定校である梨花女子大学(韓国),チェンマイ大学(タイ),深圳(セン)大学(中国)の4大学による学術交流に始まり,2004年には,これら3大学の学生に加え,南ソウル大学(韓国),パダボーン大学(ドイツ)の学生を迎えて,本学で第1回国際学生フォーラムが開催されました。
 その後,ベトナム国立大学(ベトナム)が加わり,現在6大学(南ソウル大学は現在未参加)による持ち回りで,隔年で開催されています。
 今回のフォーラムは8月23日から25日までの3日間に渡り開催し,このうち,24日の研究報告会のみ一般の方に公開します。
 研究報告会では学生が作成した論文を発表し,議論を行うという形式で,英語を母国語としない学生たちによる英語での発表となります。
 なお,本学を含めた6か国の大学から学生が集まり,共通のテーマで各自の研究成果を報告するこの事業は,本学経済学部の特色ある教育プログラムのひとつであり,国際交流事業の促進を主な目的として本学卒業生の寄付により設立された久保奨学基金からの助成を受けています。

【研究報告会】
開催日時:平成29年8月24日(木) 9:00~
開催場所:大分大学経済学部101号教室(旦野原キャンパス)
※参加無料
※英語で発表を行います(通訳はありません)

(事項4)平成29年度 高校生・受験生を対象とした大分大学医学部附属病院薬剤部見学会開催

 薬学に興味を持つ大分県内の高校生・受験生を対象に,「平成29年度大分大学医学部附属病院薬剤部見学会」を開催します。  この見学会は,高校生等が薬剤師の仕事内容を見学することにより,薬学に対する理解を深め,薬剤師や薬学研究者等への進路希望を明確にするとともに,学習意欲の向上を図ることを目的としています。  近年,医療の高度化・多様化に伴い,医薬品の専門家として薬剤師の果たす社会的役割が大きくなっています。また,平成18年度より開始された6年制薬学教育は10年が経過しましたが,医療技術の高度化,医薬分業の進展等に対応するため,高い資質を有する薬剤師の養成がますます必要となっています。  このことから,薬系大学への進学を希望し,薬剤師に興味を持っている高校生・受験生が,大学病院薬剤師の仕事内容等を直接見学し,理解を深めてもらうことを目的として,大分県教育委員会の後援により開催します。
 この見学会は平成27年度より毎年開催し,本年度で3回目の開催となります。なお,既に募集期間は終了しており,本年度参加予定人数は104名と昨年度より増加しており,高校生・受験生の関心の高さがうかがえます。
 当日は,6年制及び4年制の薬学教育,並びに大学卒業後の進路に関する講演と,医学部附属病院薬剤部の見学を含めて,大学病院に勤務する薬剤師の仕事の紹介等を行う予定です。
 この見学会に参加し,大学病院で働く薬剤師と交流をすることで,将来,地元で働く人材確保の契機となることが期待されます。

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(事項5)夏季一斉休業の実施について

 本学では,省エネルギー対応を図る観点から,例年,夏季一斉休業(附属病院を除く)を実施しています。

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