お知らせ第140回学長記者会見

第140回学長記者会見

日時
2017-1025
場所
大分県庁県政記者室
第140回学長記者会見

(事項1)大分大学の研究課題が平成29年度日本医療研究開発機構(AMED)の未来医療事業に採択
    -人工知能を用いた内視鏡外科手術の術中教示システムの開発-

(研究開発代表者:医学部消化器・小児外科学講座 猪股雅史教授)
 国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下AMED)が実施する平成29年度未来医療を実現する医療機器・システム研究開発事業で,本学医学部消化器・小児外科学講座 猪股雅史 教授を研究開発代表者としたプロジェクトチームが申請した課題が,書類・ヒアリングなどの厳正な審査の結果,多数の応募課題の中から採択されました。
 今回の事業は,日本が強みを有する人工知能,ICT技術を応用した日本発の革新的医療機器・システムの開発及び実用化を推進する取組で,総事業費5億円の支援を受け,今後2年間事業を進めるものです。
 研究内容は,からだの負担の少ない内視鏡外科手術を安全に行うために,何を基準として,どのように判断し,どこをアプローチする,というような臨床医の「暗黙知」を見える化し,具体的にデータ化する手順を明確にします。さらに,そのデータを集積し,人工知能に学習させ手術中に熟練医に匹敵する手術動作を教示する医療機器の開発を目的としており,いわゆる「スマート内視鏡外科手術」の実現を目指しています。

(1)本事業は,内視鏡外科医療分野で世界をリードする大分大学医学部と情報システム工学に先進的な福岡工業大学(徳安達士教授)との約10年間にわたる内視鏡外科手術のトレーニング用のバーチャル・リアリティー・シミュレーター開発の研究成果に基づいています。
(2)大分大学医学部および福岡工業大学に加え,今回は,人工知能技術に先進的な大分大学理工学部,内視鏡機器開発のパイオニアであるオリンパス株式会社を加えた大型共同研究チームとして組織されています。
(3)研究成果の医療・教育への円滑なアウトプットをめざし,日本内視鏡外科学会およびアジア内視鏡外科人材育成事業(MESDA)との連携が取られています。
(4)研究成果は,わが国の内視鏡外科手術の医療安全の向上と大分大学外科指導医の海外への技術指導の教育効果向上に貢献しうると期待されています。

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(事項2)大分大学・ピラゴフ名称ロシア国立研究医科大学の連携で
    第2回日本・ロシアトレーニングコースを実施

 9月28・29日の2日間,本学消化器・小児外科学講座及び消化器内科学講座の医師団がロシアを訪問し,本学との国際交流協定校であるピラゴフ名称ロシア国立研究医科大学との連携の下,現地の医師らを対象とした内視鏡外科および消化器内視鏡の実地トレーニングコースを実施しました。
 本学とピラゴフ名称ロシア国立研究医科大学との間では,本年4月に日本の最先端の内視鏡技術を伝えるための内視鏡分野における協力を強化し,また継続的に進めるために,双方で合意文書に署名がなされました。
 厚生労働省及びロシア連邦保健省の支援の下,日本内視鏡外科学会・アジア内視鏡人材育成支援大学コンソーシアムの協力を得て,既に4月20・21日の2日間,北野学長を含む本学医師団5名が訪露し,現地の医師らを対象とした内視鏡外科実地トレーニングコースを開催しており,2回目の今回は,消化器外科・消化器内科の2コースに分かれて実施しました。
 消化器外科学チームは,ロシアの歴史ある地方都市リャザンのリャザン国立医科大学にて,腹腔鏡下胃癌手術のライブサージャリーとテレカンファレンス,ハンズオントレーニング等を実施し,消化器内科学チームはモスクワのピラゴフ名称ロシア国立研究医科大学にて,胃の生体摘出モデルを用いたESD(内視鏡的粘膜下層はく離術)のハンズオントレーニング,モスクワ第31病院にて食道胃の観察基本手技+ESDのライブデモンストレーションを実施しました。(トレーニングの模様は次ページの写真をご覧ください)
 両コースには延べ30名の参加があり,歓迎夕食会での交流も行われ,大変有意義なトレーニングコースとなりました。
 今後も平成30年2月に第3回トレーニングコースを実施する予定です。

(事項3)防災シンポジウム 大分の防災を考える in 大分
    -地域における防災・減災力の向上を目指して-

 大分大学と大分高等教育協議会が毎年開催している防災シンポジウムを今年も開催します。
 今回のシンポジウムは主に地域における防災リーダーを対象としたもので,特別講演,パネルディスカッションにより地域社会における防災・減災力の向上への取組の一助となることを期待しています。
 平成23年3月に発生した東日本大震災を教訓として,防災・減災の実現可能な社会システムの再構築が課題となっています。今後50年以内に約90%の確率で発生が想定されている南海トラフ地震や,毎年のように発生している台風や梅雨前線による風水害,九重山など活動を注視されている火山の存在など,大分には大きな災害をもたらす様々な要因があり,地域の防災・減災力を向上させる取組の強化が求められています。
 大分大学と大分高等教育協議会は,平成23年度から県内各地で地域における防災・減災を目指す「防災シンポジウム」を開催してきましたが,県民の防災意識の向上と自治体等の防災・減災対策に少なからず貢献できたのではないかと考えています。
 今年度は,大分大学減災・復興デザイン教育研究センター(CERD)との連携により,大分市において,主に地域における防災リーダー(防災士,役職者等)を対象としてシンポジウムを開催します。一般市民の方の参加も可能です。

【特別講演】(50分)
 演題:「災害発生・・・その時報道の現場は」
 講師:OBS大分放送(記者:古城秀明,アナウンサー:平川侑季)

【パネルディスカッション】(80分)
 テーマ:「災害時における地域の役割」
 コーディネーター:大分大学理工学部 小林祐司准教授
         (大分大学減災・復興デザイン教育研究センター(CERD)代表)

 ■開催日時:平成29年11月12日(日) 13:30~
 ■開催場所:ホルトホール大分(定員300人)

(事項4)井上正文名誉教授が国土交通大臣表彰を受賞

 本学の井上正文名誉教授が国土交通大臣表彰(平成29年度住生活月間功労者表彰)を受賞しました。
 国土交通省では,住生活月間の行事の一環として,住意識の向上,ゆとりある住生活の実現及び建築物の質の向上を図るため,各分野において活躍された個人・団体に対し,功労者表彰を行っています。
 井上正文名誉教授は,多年にわたり教育研究者として建築構造物の耐震安全性及び質の向上に関する県民への啓発活動に尽力するとともに,竹材の利用促進を図るため,「竹製接合具」の開発を地元企業と行うなど,発明発見等の実績をあげたほか,長年にわたり大分県の建築審査会委員及び会長や大分県建築士会会長として,建築行政の推進等に寄与したことにより今回の受賞となりました。
 10月1日に佐世保市のアルカスSASEBOにて行われた表彰式では,高円宮妃殿下のご臨席のもと,表彰代表者に国土交通副大臣から表彰状の授与が行われ,その後,受賞者に国土交通省関係者より個別に表彰状が授与されました。

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(事項5)大分大学開放イベント2017 ~地域社会とともに~

 本学は,地域社会との連携・協力を推進するため,大学の研究活動やその成果を広く公開し,一般の方が気軽に訪問できる大学づくりに努めています。今年度も大学開放イベントを開催し,地域の皆様に大分大学の今を感じていただきます。
 このイベントは,本学の日頃の研究成果等を様々な催し・展示で紹介するもので,昨年度は「学園祭」と「大学開放イベント2016」とで合わせて7,800名を超えるたくさんの方の参加がありました。
 毎年,多岐に渡る企画を準備しており,小学生を対象とした「ロケットを作っちゃおう(先着24名)」「発電おもちゃで遊んでみよう」,中高生向けの「いろんなものを賢くするには?-センサー,モーター,そしてマイコン-」「体験!建築音響の不思議な世界」,一般の方には「あなたの肺は若い?~『肺年齢』を調べてみませんか?~」などの企画で皆さんのお越しをお待ちしています。
 また,今年から新たにスタートした理工学部では,「数式処理への誘い」「自然のリズムを体感してみよう!」などの新規企画を,COC+推進機構では学生が参画した企画「大麦大好き大集合!!」を実施します。
 このほかに,CERD(大分大学減災・復興支援センター)による防災・減災に関連した企画を2件,自治体・企業等の協賛企画として中津からあげやぶたまんの実演販売,「すぎのジャングルジムやボルダリングで遊ぼう!」や,大分県社会保険労務士会による無料労働相談コーナーなどを実施します。
 毎年開催している特別講演会では,新聞・テレビなどに多数出演する一方で商店街にて「哲学カフェ」を主宰するなど,市民のための哲学を実践している山口大学の小川仁志准教授を招き,私たちが普段敬遠しがちな「哲学」についての楽しいお話をしていただきます。

【特別講演会】(14:00~15:30)
 演題:「哲学で人生と社会を変える方法」
 講師:小川 仁志 氏 山口大学国際総合科学部准教授

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(事項6)「大分大学ホームカミングデー2017」開催

 本学では,11月5日「大分大学ホームカミングデー2017」を開催します。
 この催しは,本学同窓生等に大学の現状を見学していただくとともに,本学への意見・提言等をいただく場を設け,同窓生等と本学との絆を深めることにより,協力・連携関係を築き,併せて,各同窓会会員相互の交流を推進することを目的としています。
 本学と同窓生との交流会は,国立大学法人化を機に,平成17年度から県内で9回,県外で6回の合計15回開催し,これまでに本学の6つの同窓会会員等約1,800名が参加しています。
 同窓生の皆さんには,同日開催の大学開放イベント及び学園祭(蒼稜祭)にも参加していただき,懐かしい母校の今の姿をご覧いただきます。
 その後,15時40分から旦野原キャンパスの学生交流会館B-Forêt(ビ・フォーレ)を会場に,交流会と懇親会を開催します。

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その他の事項

(事項1)とよのまなびコンソーシアムおおいた連携講座
    豊の国学中央講座 リレー講演会 開催

 大分県内の大学,短期大学及び高等専門学校などの高等教育機関が設立した「とよのまなびコンソーシアムおおいた」が主体となり実施する,大分県に関する様々な分野の専門的・学術的な教育内容等を連携・融合させた講座を11月23日に開催します。
 様々な角度から「豊の国(大分県)」を見ていただくため,豊の国の「人」「文化」「産業」「自然」についてのリレー講演を実施します。

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(事項2)第17回「皮膚の日」市民講演会を開催

 毎年11月12日は「ひふの日」です。本学医学部皮膚科学講座が実行委員会事務局を務め,今年も「ひふの日」を記念して11月26日に市民講演会を開催します。
 日本臨床皮膚科医会は1989年に11月12日(イイヒフ)を「皮膚の日」に制定しました。そして,日本皮膚科学会と協力して,皮膚についての正しい知識の普及や皮膚科専門医療に対する理解を深めるための啓発活動を行ってきました。毎年「皮膚の日」の前後の時期には全国各都道府県において,一般の方々を対象に講演会や皮膚検診,相談会を多数開催しています(日本臨床皮膚科医会ホームページより)。
 本学医学部皮膚科学講座が大分県「皮膚の日」実行委員会事務局を務め,一般市民を対象に県内で開業する医師2名による無料講演会を開催します。

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(事項3)大分大学学園祭「第6回 蒼稜祭」開催

 本学学園祭運営委員会は,11月3日から5日の3日間,旦野原キャンパスにおいて,大分大学学園祭「第6回蒼稜祭」を開催します。今年のテーマは「百花繚乱」です。百花繚乱には,“美しい花が咲き乱れる”という意味がありますが,来場して下さる皆様や学園祭に関わってくれた皆様が笑顔になるような学園祭にしたいという想いが込めて今回のテーマとしております。
 本学は,地域社会との連携協力を従来にも増して推進し,地域の活性化に貢献することを大学運営の基本方針としています。
 そのためには,教育研究面での連携協力はもとより,本学学生を含めた大学の全構成員が積極的に地域社会との交流を深めることが何よりも重要です。
 蒼稜祭の開催にあたり,本学の学生が勉学やサークル活動等の多方面にわたる学生生活の一端を地域の皆さまにご披露し,ご指導と励ましをいただくことで,地域社会の一員としての自覚を深め,地域に根ざす大分大学の学生として,さらに成長・飛躍する機会となることを期待しています。

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