お知らせ令和4年度11月学長記者会見

令和4年度11月学長記者会見

日時
2022-1128
場所
県庁記者会見室
令和4年度11月学長記者会見

▲説明をする北野学長

【事項1】レジリエント社会・地域共創シンポジウム開催
「自然災害もうひとつの危機 ~避難所における健康リスクを考える」

近年、我が国は地震や豪雨などの自然災害の多発や、新型コロナウイルスの感染拡大など、社会生活を脅かす多くの危機(クライシス)に直面しています。大分大学は地域の中核大学として、このような社会的クライシスに対応することを目的に令和4年4月に全学組織である「クライシスマネジメント機構」を設立しました。 本シンポジウムは同機構の取組の一環として、自然災害時に誰もが関わる可能性のある避難所の在り方をテーマに開催するものです。

災害時に開設される避難所の多くは、環境面や衛生面等でその生活環境が良好とは言い難く、特に高齢者や慢性疾患のある避難者は避難生活においてその健康状態を悪化させるリスクが指摘されており、避難所環境の改善は喫緊の課題となっています。本シンポジウムは、このような課題の解決に向け、専門家による講演や大学・自治体・報道機関・災害支援団体からのパネリストによる討論を通じて、災害時の避難所の在り方について考えるものです。

また、シンポジウムと併せて、防災・減災や避難所に関する展示会をシンポジウム会場内で開催します。展示内容は、避難所生活体験ができる模擬避難所、大分大学が開発している統合基盤災害情報システムEDiSONや避難所支援用アバターのデモンストレーション、防災に関する研究成果のパネル展示等を予定しています。同展示会には、自治体・報道機関・協賛企業等からも出展をいただき、防災に向けた各取組の紹介や防災グッズの配布を予定しています。

本シンポジウムは、一般社団法人国立大学協会が、全国の国立大学に向けて募集した「レジリエント社会・地域共創シンポジウム」に本学が応募し、採択されたもので、国立大学協会及び大分県との共催により、県内企業・報道機関の協力・協賛の下で実施します。

大分地域の一般住民や行政・企業等の関係者が本シンポジウム及び展示会に参加することによって、安全・安心で持続的に発展する地域社会の実現に向けた課題について、地域と大学とがともに考える場を創出します。

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【事項2】「令和4年度 日本・アジア青少年サイエンス交流事業(さくらサイエンスプログラム)」によるタイ王国高校生の本学訪問

国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の公募事業「さくらサイエンスプログラム」の採択を受け,タイ王国の医学部進学者が多い理系の高校(マヒドンウィッタヤヌソンスクール,プリンセスチュラポーンスクール)から生徒13名と教員2名を招へいします。 本事業は,産学官の緊密な連携により,アジアを中心とする地域から優秀な青少年を日本に短期に招へいし,未来を担う青少年が科学技術の分野で交流を深めることを目指すものです。

本事業がスタートした平成26年度から継続して採択されており,今年度で8回目の実施です。
滞在中は,本学教員の指導による手術手技(縫合)の実習,医学セミナーや大分大学卒業生(タイ人)とのセミナーなどを通して,日本の高い科学技術に触れてもらいます。令和2年度はコロナ禍中止、令和3年度はオンライン開催となり、対面での開催は3年ぶりとなります。

【滞在期間】
令和4年11月28日(月)~12月4日(日)

【主なスケジュール】
11月29日(火)
9:00~ 医学部歓迎行事、附属病院見学
14:00~ 消化器・小児外科学講座、外科糸結び、腸管縫合体験
11月30日(水)
9:00~ 医学セミナー
13:30~ 大分大学卒業生(タイ人)とのセミナー(オンライン)
12月1日(木)終日 大分県立大分舞鶴高等学校訪問
12月2日(金)終日 企業訪問・日本文化体験
12月3日(土)終日 大分県立大分舞鶴高等学校との交流会

【事項3】大分大学教育学部附属小学校創立140周年記念セレモニー・歌声発表会の開催

大分大学教育学部附属小学校は、明治16年に大分県師範学校附属小学校として設立され、今年創立140周年を迎えました。 本校の学校行事である「歌声発表会」に併せて、140周年記念セレモニーを開催いたします。開催にあたっては、コロナ禍のため入場制限を設けるなど、感染症対策を行います。

【大分大学教育学部附属小学校「歌声発表会」(創立140周年記念)】
開催日時:令和4年12月1日(木)
(140周年記念セレモニー)9:00~9:35
(歌声発表会)9:35~11:25
開催場所:iichiko総合文化センター「iichikoグランシアタ」

【事項4】日本初となる血液バイオマーカーを用いた認知症診断ワークフローの構築へ
大分大学・臼杵市医師会・島津製作所・エーザイが共同研究を開始

国立大学法人大分大学、一般社団法人臼杵市医師会、株式会社島津製作所、エーザイ株式会社は、このたび、臼杵市を実証立地としたコホート研究を開始することとしました。本共同研究は、血液バイオマーカーを活用し、軽度認知障害(MCI)およびアルツハイマー病の診断ワークフローを日本で初めて構築する試みです。
「認知症に関する脳脊髄液・血液バイオマーカーの適正使用指針」に則り、かかりつけ医から認知症の関連学会専門医に至る医療連携体制において、血液バイオマーカーの有用性を実証し、アルツハイマー病の早期診断への貢献をめざします。本共同研究では、臼杵市医師会が研究への参加希望者(50歳以上)を募集し、臼杵市医師会所属のかかりつけ医が応募者に対して簡易的な認知機能検査等を行い、軽度認知障害(MCI)や軽度認知症の疑いがある方200名程度を選定します。臼杵市医師会立コスモス病院所属の専門医が問診や認知機能検査を行ったうえで、最終的にアルツハイマー病が疑われるMCIや軽度認知症の対象者100名を選定します。
100名の参加者に島津製作所の血中アミロイドペプチド測定システムを用いた血液バイオマーカー検査、認知機能検査、MRI、アミロイドPETを実施し、血液バイオマーカーの性能および各検査の活用による診断性能を評価することで精度の高い診療フローを構築します。具体的には、本研究は2つのフェーズに分けて行われます。
フェーズⅠでは、これまでの臼杵市にけるコホート研究で収集された154例の血漿検体とアミロイドPET画像を用いて島津製作所による血液バイオマーカー検査の診断性能を評価し、カットオフ値を検討します。フェーズⅡでは、前向きコホート研究により新たに100 例の血漿検体、認知機能検査、画像データを収集して血液バイオマーカー検査の診断性能を評価するとともに、検査結果開示よる心理的影響の評価および将来的には診断全体コスト構造や診断アクセス待機時間などを分析します。
これらの結果を統合して、かかりつけ医を含めた実臨床における血液バイオマーカーを活用したアルツハイマー病の診断治療ワークフローの有用性を検証します。

認知症の原因として最も頻度の高いアルツハイマー病では、発症の約20年前から脳内にアミロイドベータ蛋白(amyloid β:Aβ)が溜まり始めるとされています。Aβの蓄積度合いの推定にはアミロイドPETや脳脊髄液検査が用いられてきましたが、金銭的・身体的負担が大きく、実施できる施設も限られていました。そこで、近年、血液バイオマーカーの開発が進み、株式会社島津製作所を中心とした研究グループは、血漿中のAβ関連ペプチドを測定し、それらの比を数学的に組み合わせることで、アルツハイマー病の血液バイオマーカーを開発してきました。
この血液バイオマーカーは、アルツハイマー病を高い精度で診断するため実臨床での普及により、被検者の経済的、身体的な負担を軽減するこが出来ます。従って、本研究では、臼杵市医師会所属であるかかりつけ医、市民健康管理センター、大分大学が連携して血液バイオマーカーを活用したアルツハイマー病の診断治療ワークフローをかかりつけ医を含めた実臨床で構築し、その有用性を検証します。このような試みは、本邦初であり、極めて先進的な取組です。

臼杵市医師会所属のかかりつけ医、および大分大学医学部神経内科学講座は応募者に対して問診や認知機能検査を行い、アルツハイマー病の前段階である軽度認知障害(MCI)やアルツハイマー病の疑いのある100名を選定します。
次に、全例に対して臼杵健康管理センターにおいて血液検査と頭部MRI検査、大分大学医学部附属病院において神経心理検査およびエーザイが開発した「のうKNOW」を用いた脳の健康度セルフチェックとPIB-PET検査を実施します。また、医師会所属のかかりつけ医、および大分大学医学部神経内科学講座は、検査結果を参加者に開示し、心理的影響を評価します。島津製作所は血中アミロイドペプチド測定システム「Amyloid MS CL」を用いた血液バイオマーカー検査を行います。
エーザイは、認知症研究に関する知見を活かして研究計画を立案、支援するとともに、検査結果および心理的影響の解析・考察手法を助言します。4者は、「血液バイオマーカーの臨床性能」および「検査結果開示後の心理的影響」の両評価結果を統合し、実臨床下における血液バイオマーカーの受容性を検証します。

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その他の情報

【事項1】福祉健康科学部 地域共生社会の実現を考えるセミナー

講演1:「地域共生社会の実現に向けた構想と展望」
講演2:「ごちゃまぜで進める未来あるまちづくり」
パネルディスカッション

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【事項2】医学部附属病院 市民公開講座「最新の小児1型糖尿病の管理について」

1型糖尿病は小児期に発症することが多い疾患です。乳児から大人までひとりひとりの生活に合わせた1型糖尿病の新しい管理についてお話します。

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【事項3】クライシスマネジメント機構市民公開講座「感染症危機管理 自然災害時の感染症疫学」

毎年流行するインフルエンザやノロウイルス感染症から新型コロナウイルス感染症まで,我々の社会は感染症のリスクに常にさらされています。感染症に関する基礎知識から,サーベイランスで流行の兆しを早期に捉え,流行時に適切な対策を講じるまでをカバーする感染症危機管理の実務に当たる方向けの実践講座です。

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【事項4】令和4年度 文化系課外活動サークル定期演奏会等開催

令和4年度文化系課外活動サークルの集大成となる,定期演奏会等を下記のとおり開催します。
(※新型コロナウイルスの感染拡大状況により,変更または中止となる場合があります)

【医学部混声合唱団ユーベル・エコー 第37回定期演奏会】
開催日時:12月17日(土)17:00~(開場16:30)
開催場所:はさま未来館(文化ホール)
入場料:無料

【吹奏楽部 第36回定期演奏会】
開催日時:12月24日(土)15:00~(開場14:30)
開催場所:J:COMホルトホール大分(大ホール)
入場料:無料

【マンドリンクラブ 第65回定期演奏会】
開催日時:12月24日(土)17:00~(開場16:30)
開催場所:iichiko総合文化センター(音の泉ホール)
入場料:無料

【医学部管弦楽団 Espressivo 第27回定期演奏会】
開催日時:12月25日(日)17:00~(開場16:30)
開催場所:J:COMホルトホール大分(大ホール)
入場料:(前売り券)一般900円、学生500円(当日券)一般1000円、学生600円

【事項5】令和4年度 報道機関各社との懇談会 開催

大分大学では、例年、本学役職者等と県政記者クラブ各社の皆様が交流を図ることにより、本学への理解をより一層深めていただくことを目的に懇談会を開催しており、今年度は下記のとおり開催します。
今年度は、新型コロナウイルス感染症の感染状況を踏まえ、懇親会は実施せず、北野学長による発表及び教員3名による研究発表を予定しています。発表を聴きながら食事をしていただけるよう、軽食を準備します。(写真:昨年度の様子)

開催日時:令和5年1月30日(月)11:00~12:10(予定)
開催場所:トキハ会館5階ローズの間