お知らせ令和4年度2月学長記者会見

令和4年度2月学長記者会見

日時
2022-0227
場所
県庁記者会見室
令和4年度2月学長記者会見

▲説明をする北野学長

【事項1】大分大学によるブータン王国における胃癌撲滅運動:ブータンの共同研究者が来訪及び本学の医学部内視鏡医を派遣

2023年2月8日から16日まで、地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)「課題名:ピロリ菌感染症関連死撲滅に向けた中核拠点形成事業 」の人材育成の一環として、ケサール・ギャルポ医科学大学理事Dr. Sithar Dorjeeとブータン保健省王立疾病管理センター センター長Dr. Sonam Wangchukが来県しました。
大分大学医学部でのセミナー(第11回グローカル感染症セミナー)への出席、医学生への講義、研究者との意見交換、病院施設の視察のほか、本プロジェクトの協力機関であるアドテック株式会社を2日間訪問しました。2月9日は渡辺幹雄社長を表敬訪問し、アドテック社が開発・製造を行っているイムノクロマトキットの全般について説明を受け、14日は生産管理について担当者から講義を受けたほか、製造工程を視察しました。本事業では、便を用いたピロリ菌迅速診断イムノクロマトキットの開発、さらにはブータンへの技術移転を計画しています。
(写真:学長とブータンの研究者ら(上)、アドテック社での研修(下) )

また、本事業では、ブータン国内での内視鏡技術の向上を目指しており、第一弾として、本学医学部消化器内科学講座の水上一弘准教授を3月8日から5月4日までの約2か月間ブータンに派遣することになりました。水上准教授は現地にて、内視鏡手技の指導のみならず、内視鏡検査結果の記録システムの構築なども行う予定です。首都ティンプーにあるジグメ・ドルジ・ワンチュク国立総合病院での指導が中心ですが、滞在中には、内視鏡機器が設置されている2つの基幹病院(モンガル地区、ゲレフ地区)も訪問して現地医師との交流を深める計画です。
さらに、3月には本事業で購入する次世代の内視鏡システムとも言われるEVIS X1(オリンパス株式会社)が現地に設置されることになり、3月27日にブータン国首相も招待して寄贈式を執り行う計画をしており、研究代表者の山岡教授も出席します。

※SATREPS「ピロリ菌感染症関連死撲滅に向けた中核拠点形成事業」について
SATREPSは、様々な地球規模課題の解決、科学技術水準の向上につながる新たな知見や技術の獲得、これらを通じたイノベーションの創出を目的として、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)と独立行政法人国際協力機構(JICA)が共同で実施するもので、本事業は令和3年度に採択されました。事業費として年間約1億円程度の支援で、5年間事業を進めるものです。
この事業は、山岡教授がこれまでの本学とブータン王国との学術交流実績と、共同研究者で首相でもあるLotay Tshering氏からの要望をもとに、アドテック株式会社,オリンパス株式会社と連携し、ブータン国内でのピロリ菌感染症関連死撲滅を目指すものです。ブータンは胃癌好発国で,胃癌死亡率は世界で2番目に高い状況で、本事業では、ブータン政府の国策と連動し、ピロリ菌感染症及び薬剤耐性菌の制圧と、包括的な医療体制の補強によってブータンの自立的発展性を強化し、ブータン政府による胃癌検診とタイアップして進めており、最終的にはブータンにおけるピロリ菌感染症関連死の撲滅を目指します。


SATREPS採択について(令和3年度 5月学長記者会見 事項1)

【事項2】令和4年度 地域の課題解決事業成果報告会

「おおいた地域連携プラットフォーム」を通じて取り組んだ「実践型地域活動事業」「大分県と県内高等教育機関の連携による地域課題解決事業」「市町村課題解決事業」のそれぞれの事業(計24事業)の令和4年度の取組を、WEB上でのオンデマンド配信の形で公開をします。
県内の大学等への進学に興味を持っている高校生・その保護者、県内自治体及び企業、大学等の産官学連携担当者を対象に配信するものです。
高校生・その保護者へは、県内大学の取組を知ってもらい、県内各高等教育機関へ進学の興味喚起を図ることが目的です。県内自治体及び企業、大学等の産官学連携担当者においても、産官学連携強化対策として、県内高等教育機関の大分県内地域課題への取組を、産業界、県内自治体と共有し、今後の連携増加につなげることを目的としています。

「実践型地域活動事業」による、学生のフィールドワークを主とした実践的な事業や、「大分県と県内高等教育機関の連携による地域課題解決事業」「市町村課題解決事業」による、学術的な取組まで、様々な大学の様々な事業を一度に見ることができる点が特色です。
例年は対面での開催(一昨年度、昨年度は新型コロナウイルス感染症拡大の影響でオンライン開催)を行っていましたが、「おおいた地域連携プラットフォーム」の立ち上げによる、連携事業の増加に伴い、事業数が増えてきたことや、より多くの方へ時間や場所にとらわれず、多くの取組を見てもらうことを目的に、今年度よりオンデマンド配信の形での報告会を実施することとしました。

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大分観光バーチャル体験プロジェクト(大分大学発表事業)

【事項3】医工連携チームを結成し、医療現場のニーズに応えるアプリを開発

【背景・課題】
医療の現場では近年、スマートフォンアプリ(アプリ)による診療支援が注目されており、開発が活発化しています。医療の現場にはアプリが解決しうる隠れたニーズが多く存在するものの、システムの開発ノウハウが現場に無いため、未解決なまま埋もれてしまっているものも多いです。
上記の課題を打開するため、大分大学内に医工連携(医学部・理工学部)で、アプリのコンセプト設計から開発までを最短最速で作るための早期臨床開発チームを構築する事にしました。

【早期臨床開発チームについて】
 若手~中堅主体の医師(大分大学医学部臨床薬理学講座、循環器内科、名古屋市立大学医学部附属東部医療センター)と、大分大学理工学部(知能情報システムコースの教員、知的システム開発工房の学部生)で、2022年8月に開発チームを結成しました。
医工連携チームに学部生も加えることで医療にも精通したプログラマーの育成にも繋がっています。

【アプリ開発について】
早期臨床開発チームによるアプリ開発の第一弾として、外来で医師と患者さんが使える慢性心不全のコミュニケーションアプリの開発を行い、2023年1月にアプリが完成しました。
今後、アプリを使用した臨床試験の実施を複数の医療機関で予定しています。医師と患者さんが同じ画面を見ながら薬物治療について話し合うことにより、患者さんが納得して医療を受けられるコミュニケーションアプリとしての実用化を目指しています。

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【事項4】令和4年度卒業式・学位記授与式の挙行

令和4年度卒業式・学位記授与式を3月23日(木)に挙行します。
今年度の卒業式・学位記授与式は、ご家族(原則1名)の入場を可とし、学生サークルによる国歌及び学歌の演奏・斉唱を行います。
新型コロナウィルスにより、過去3年間入場制限等行ってきましたが、今年度はほぼコロナ前に戻し、実施することとしました。

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【事項5】令和5年度入学式の挙行

令和5年度入学式を4月4日(火)に挙行します。
令和5年度の入学式は、iichikoグランシアタが改修により使用できないため、会場がJ:COMホルトホール大分になります。
また、収容人数の関係上、午前、午後の2回に分けて実施し、令和4年度の卒業式・学位記授与式同様、ご家族(原則1名)の入場を可とし、学生サークルによる国歌及び学歌の演奏・斉唱を行います。

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その他の情報

【事項1】大分の教育の未来をみつめるシンポジウVI 「Artsから広がるSTEAM教育の実践」

6回目となる今回のシンポジウムでは、Artsを軸に教科融合や領域横断に取り組んでおられる大分県の実践事例について、3名の先生にご紹介いただきます。

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【事項2】令和5年度(2023年度)大分大学一般選抜出願状況

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