お知らせ令和5年度4月学長記者会見

令和5年度4月学長記者会見

日時
2023-0411
場所
県庁記者会見室
令和5年度4月学長記者会見

▲説明をする北野学長

【事項1】令和5年(2023年)4月からの学長の補佐体制

令和5年4月1日付けで,外部から新たな理事を迎えるなど,補佐体制に変更がありました。

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【事項2】日本初 医学部附属病院内に「ケアメイクルーム」開設

2023年4月13日医学部附属病院内に患者さんのQOL向上を目的としてルックスケア・化粧療法を行うケアメイクルームを開設します。ケアメイクルームのサービス内容は、1.皮膚、爪など外見上の変化に対するカウンセリングとケアネイル、カバーメイク、アイラッシュなどの施術、2.化粧療法にかかる化粧品の展示・販売、3.化粧療法の有用性を検証する臨床研究、4.化粧療法士育成と認定制度確立の推進です。
これらの取組は、疾病・治療による外見変化に悩む多くの患者さんに対する化粧療法の実践と普及、化粧療法を提供する医療人の育成を行うことで、心身機能やQOLを向上するだけでなく、フレイル予防など地域の高齢者の健康維持にも寄与すると考えられます。

ケアメイクルームは、医学部附属病院内において公益社団法人国際化粧療法協会が運営し、専門家によるカウンセリングとケアネイル、カバーメイクなどの施術サービスを提供します。近年の医学の進歩によりがんや生活習慣病の予後が改善するとともに、疾病や治療によって生じる皮膚や爪など外見上の変化は大きな問題となっており、社会生活の質を向上するルックスケアの重要性がますます高くなっています。
そのような外見上の変化を専門的にサポートするケアが必要となった背景から、大分大学医学部附属病院では、2023年4月13日にケアメイクルームを開設します。サービス内容として、開設時には美容カウンセリングと化粧品の展示から開始し、ケアネイル・カバーメイクなどの施術(2023年6月頃を予定)、化粧品販売と化粧療法研修など段階的に展開していく予定です。
また今回の専門ルーム設置によるケアメイクサービスの提供は医学部附属病院においては日本初の取組であり、1.専門技術を用いたケアの普及、2.高度技術を有する専門療法士の育成、3.化粧療法に関する医学的知見の発信を実現するために重要な役割を担います。

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【事項3】大分大学によるブータン王国での胃がん撲滅運動への支援 ブータン王国への内視鏡システム寄贈

2023年3月27日ブータン王国首都ティンプーの国立中央病院にて、ブータン王国保健省大臣、大分大学副学長・医学部環境・予防医学講座 山岡𠮷生教授、大分大学医学部消化器内科学講座 水上一弘准教授、JICAブータン 山田智之所長らが出席して、消化管内視鏡機材の引渡し式が行われました。今回供与された機材は上部消化管拡大内視鏡スコープとシステムで、高倍率の拡大観察によって、病変の高精細な診断が可能となる世界最新鋭の機器です。まだインドにさえ供給されておらず、南アジア初の設置となります。
ブータンでは、胃がんが発見された時には進行度が高いため救命が出来ず、その死亡率は世界3位と言われています。胃がんの早期発見には、上部消化管内視鏡によるスクリーニング検査が有用であり、地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)「課題名:ピロリ菌感染症関連死撲滅に向けた中核拠点形成事業」では、活動内容の一つとして系統的な胃がんのスクリーニング法の教育を受けたことがないブータン人医師に対し、内視鏡指導者講習、インターンシップなどを通した内視鏡教育に取り組んでいきます。
ブータン王国保健省大臣からは「このような交流プログラムは素晴らしい取り組みであり、我々の医療従事者が世界標準と同等になることで、これからの若い世代を訓練することができるようになります。本プロジェクトは内視鏡医教育制度の構築にも貢献し、その教育制度は永遠に残るでしょう。」と継続教育の必要性を熱心に話されました。
本式典の様子は、ブータン国内でTVや新聞などでも大きく報じられました。※※
式典に先立ち、3月8日からは、水上一弘准教授が着任し、ブータン人医師に対する内視鏡指導やデータ管理について関係者との調整を開始しました。3月20~22日までは、インド国境の都市ゲレフにある基幹病院の内視鏡施設の視察にも出かけています。
また3月28日には、国立中央病院内視鏡室と日本をWebカメラで繋いだライブデモンストレーションを実施し、内視鏡検査をリモートでリアルタイムに日本から指導ができることを確認しました。ライブデモンストレーションには、Lotay Tshering首相も見学に来られ、「このように現地およびオンラインでの内視鏡医教育制度の確立により、早期胃がんの発見率が高くなり、近い将来ブータンにおける胃がん死亡率は減少していくだろう」と力強い言葉をかけていただきました。
なお、Lotay Tshering首相が理事長として発足したブータン消化器内視鏡学会のロゴも今回の訪問の際に最終打ち合わせを行い決定しました。

※SATREPS「ピロリ菌感染症関連死撲滅に向けた中核拠点形成事業」について
SATREPSは、様々な地球規模課題の解決、科学技術水準の向上につながる新たな知見や技術の獲得、これらを通じたイノベーションの創出を目的として、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下AMED)と独立行政法人国際協力機構(以下JICA)が共同で実施するもので、本事業は令和3年度に採択されました。事業費として年間約1億円程度の支援で、5年間事業を進めるものです。
この事業は山岡教授がこれまでの本学とブータン王国との学術交流実績と、共同研究者で首相でもあるLotay Tshering氏からの要望をもとに、アドテック株式会社,オリンパス株式会社と連携し、ブータン国内でのピロリ菌感染症関連死撲滅を目指すものです。ブータンでは、ピロリ菌感染率が7割を超え、薬剤耐性ピロリ菌や、病原性の高い強毒型ピロリ菌の流行で、胃がんは国内の部位別がん死亡原因の第1位、死亡率は世界第3位となっており、胃がん対策は大きな課題となっています。本事業では、ブータン政府の国策と連動し、ピロリ菌感染症及び薬剤耐性菌の制圧と、包括的な医療体制の補強によってブータンの自立的発展性を強化し、ブータン政府による胃がん検診とタイアップして進めており、最終的にはブータンにおけるピロリ菌感染症関連死の撲滅を目指します。
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【事項5】大分大学とダイハツディーゼルがアンモニア-水素混焼機関の実現を目指した開発に関する
共同研究を開始

国立大学法人大分大学(以下「大分大学」という。)とダイハツディーゼル株式会社(以下「ダイハツディーゼル」という。)は、アンモニア燃料と水素燃料の混焼における燃焼過程の可視化を通して、より効果的なアンモニア-水素混焼機関の実現を目指した開発に関する共同研究契約を締結したことをお知らせします。
本共同研究は、船舶用の中速4ストローク機関では、燃焼速度が遅く完全燃焼させることが難しいとされてきたアンモニア燃料に関し、ダイハツディーゼルの保有する燃焼解析技術と大分大学の保有する燃焼過程の可視化技術を融合し、排出ガス中の有害成分である「未燃アンモニア・亜酸化窒素・窒素酸化物」の生成メカニズムを解明し、より高効率な燃焼と有害成分の生成を抑制する燃焼技術の確立を目指すものです。
なお、本共同研究では、大分大学とダイハツディーゼルで進めてきた国土交通省による「海事産業集約連携促進技術開発支援事業 外航船向け水素燃料推進プラントの技術開発」における「水素の燃焼可視化技術」の適用に加え、ダイハツディーゼルが独自に進めてきた水素専焼技術への適用も視野に、アンモニア燃料におけるエンジンの熱効率改善や燃焼評価・解析を行います。

現在、世界各国において2050年までのカーボンニュートラルを目指した脱炭素化への取組が加速する中、船舶分野においても脱炭素化の動きがでています。我が国の船舶分野における脱炭素化として2020年に「国際海運のゼロエミッションに向けたロードマップ」が策定されました。本ロードマップにおいては国際ルールを整備するとともに、2028年までに温室効果ガスを排出しない「ゼロエミッション船」の商業運航を目指しています。
本ロードマップで想定されている国際海運の代替燃料としては、水素、アンモニア、バイオ燃料などが挙げられていますが、とりわけ水素、アンモニアは二酸化炭素の排出量がゼロであるため、国策として利用推進が図られており、早期の実用化が期待されていますが、一方で燃料制御などの技術課題が指摘されています。
内燃機関での水素およびアンモニア利用に関してはこれまでにも多くの研究が行われており、ガスタービンでの利用に関して実用化もなされていますが、船舶用の大型エンジンの実用化に際しては、様々な課題があり、基礎的な研究知見が必要となっています。以上の背景から本共同研究は大分大学の基礎的な知見とダイハツディーゼルの実機開発により水素およびアンモニア混焼燃焼技術の構築を目指すものであります。
上記のように本研究は、大分大学とダイハツディーゼルで進めてきた国土交通省による「海事産業集約連携促進技術開発支援事業 外航船向け水素燃料推進プラントの技術開発」における「水素の燃焼可視化技術」と、大分大学学長戦略経費(重点領域研究推進プロジェクト(戦略的重点研究推進))「脱炭素化のための水素および合成燃料の高度利用技術に関する研究」で得られた基礎的知見に基づき、2050年の脱炭素化実現に寄与すべく、共同研究を遂行するものです。
本学においては別紙参考資料にあるような実験装置を用いて基礎研究を行います。一方ダイハツディーゼルにおいては基礎研究の知見をもとに実機を開発し、社会実装を目指します。

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【事項6】「地域ニーズに応える産学官連携を通じたリカレント教育プラットフォーム構築支援事業」に採択

大分大学が「おおいた地域連携プラットフォーム」(注1)の代表として申請した文部科学省公募事業「地域ニーズに応える産学官連携を通じたリカレント教育プラットフォーム構築支援事業」に採択されました。(注2)
この事業は「おおいた地域連携プラットフォーム」のリカレント教育機能を充実させ、大分の地域や産業界が求める人材の育成を行い、地域経済の活性化に寄与するとともに、プラットフォーム加盟の大学・短期大学等にも新たな学生を呼び込むきっかけとなる「学びの好循環」を目指すことを目的としています。

(注1)「おおいた地域連携プラットフォーム」とは,大分県内の産業界、地方公共団体、高等教育機関等の各事業協働機関が協働及び連携し、恒常的な議論の場を設置するとともに、それぞれの特色と強みを活かして地域ニーズを踏まえた高度人材育成や地域活性化のための事業等にオール大分で取り組むことにより、地域における課題解決やイノベーション創出を推進し、もって地方創生につなげることを目的に、令和3年4月1日に設立された組織です。
(注2)全体で26大学・自治体が申請し、12大学・自治体等が採択されました。九州地区で採択されたのは、九州大学と本学のみです。

「おおいた地域連携プラットフォーム」のリカレント教育実施体制を構築するために、新たに「リカレント教育担当コーディネーター」を配置するとともに、企業等の人材ニーズ調査を行い、地域ニーズに応えるリカレント教育プログラムを作成し開講します。
また、受講修了者に対し、履修証明を交付するとともに、企業等へ情報をフィードバックするなど、令和6年度以降の継続的な実施のためのサイクルづくりを行います。

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【事項7】国家試験合格率(福祉健康科学部・医学部)

令和5年に実施された国家試験において、理学療法士、社会福祉士、精神保健福祉士、公認心理師、看護師で新卒合格率100%を達成しました。

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その他の情報

【事項1】公開授業案内(令和5年度前学期)

大分大学は、日々の教育・研究・医療の成果を地域社会に還元して、地域との連携・共存を図り、その発展に貢献することを目指して、大学開放事業に取り組んでいます。
公開授業もその事業の一つです。公開授業は、決められた曜日・時限に開講される通常の授業を、学生と一緒に受講するものです。
みなさんの知的好奇心を満たすべく多彩な授業を公開しておりますので、この機会に是非ご応募ください。

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【事項2】広報誌「BUNDAI.OITA」第64号発行 ~ 特集 「共同、協働。」

大分大学広報誌「BUNDAI.OITA」の第64号が完成しました。今号の特集は「共同、協働。」です。

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